プラごみの行方を追う!
地球規模で広がる大気中のマイクロプラスチック 「海洋」と「大気」では一体どう違うのか!?
2022.04.14 (木)
体内に取り込まれる? 取り込まれた場合の影響は?
富士山でマイクロプラスチックの存在が確認されたということは偏西風などに乗り、マイクロプラスチックが存在している可能性が高まりました。
そこで、大気中に浮遊しているマイクロプラスチックを体内に取り入れてしまう可能性はあるのでしょうか?
「最近のモデル研究でわかっているのは、重さで見た場合も食べ物、飲み物で入ってくる量より空気で吸い込む量が一番多いということです。実際肺にマイクロプラスチックが存在するかを確認したのは、ブラジルの例が第一例としてあり、呼吸器系の疾病で亡くなった方、20検体を調べそのうち13検体からマイクロプラスチックが見つかりました」
▲大気中に存在するPM2.5のマイクロプラスチックは、吸ってしまうと肺胞(肺の奥)に達してしまう
マイクロプラスチックとして大気に漂うポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどは、一般的には人体に害はないと発表されていますが、大河内教授は、仮に体内に入った場合の影響を示唆します。
「プラスチックには、紫外線による劣化を防ぐため様々な添加剤が入っています。こういった添加剤は有害な有機物質なので、長期間あると脂質に溶け込んでしまうとは言われています。また、媒体になる可能性もあります。マイクロプラスチックに重金属などの汚染物質が付着して、体内に取り入れてしまう可能性もあります」
しかし、使い勝手の良さや衛生面で利点を持つプラスチック製品。そこでポイントなのが、我々人間のプラスチックに対する向き合い方や対処方法です。
「必要な取り組みは、再利用を加速させながら、投棄を減らすことです。使わないモノは置き換えていく、消費者側も素材をチェックすることできると思うので、社会を変えていくためには、地道に積み重ねていくしかありません。リサイクル方法に関しても、大雑把にプラスチックという分別ではなく、ポリプロピレン、ポリエチレンといった形で材質ごとにもっと細かく分けて回収する必要もあるかもしれませんね」
そのような取り組みを実施していくためには、やはり「知識や情報」が必要となります。世界中の様々な機関や専門家が独自の調査を発表していますが、実は「知識や情報」そのものより、「精査」が大事なようです。
「環境問題の解決に正解はないので、現状を正確に分析して仮説を立てて検証する、そのためには正しい知識を持っている必要があります。私も大学の講義や授業などで学生に情報を伝えますが、『鵜呑みにしないでね、自分でも調べることが大事』と教育しています。どこどこの教授や専門機関が言っていたから“正しい”ではなく、常に自分で“情報を精査”して、その上で知識を吸収し、自分で考えて行動に移して欲しいですね」
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