豪田部とは

大学生へ

大学生ネットワーク

栽培地域減少 2050年問題を考える

成蹊大学新聞会

2023.02.14 (火)

 近年、多くの人がコーヒーに慣れ親しんでいる。しかし近い将来、地球温暖化によりコーヒー豆の生産量が減少し、コーヒーを飲める日常は当たり前ではなくなるかもしれない。

 コーヒー豆は、コーヒーベルトと呼ばれる赤道付近の地域で栽培される。特にブルーマウンテンをはじめとした高品質なアラビカ種は、世界で流通しているコーヒー豆の6、7割を占める重要な品種だ。しかしアラビカ種は気温の低い高地で栽培されるため、地球温暖化に伴い栽培地域が減少する可能性が高い。昨今、この問題は2050年までにコーヒーが希少になる「コーヒーの2050年問題」として危惧されている。

 コーヒー豆の栽培が難しくなることは生産者の経済状況にも被害を及ぼす。もともとコーヒー豆は天候や病害によって生産量が変動しやすく、市場での取引価格が不安定な作物だ。そのため生産者は収入が安定せず、貧困に陥りやすい。そこに「コーヒーの2050年問題」が追い打ちをかければ、さらなる貧困問題が引き起こされるだろう。

 全日本コーヒー協会の大山誠一郎さんは、現在のコーヒー業界について「持続可能なコーヒー産業へとかじを切らなければならなくなっている」と語った。私たちにも企業の取り組みを調べる、フェアトレードの商品に興味を持つなど、コーヒーの将来のためにできることはある。まずは、コーヒーのその一滴にも生産者がいることを改めて思い出してほしい。(秋田彩夏)

※記事は成蹊大学新聞会2022年11月号 No.329 2面より流用
公式HP「成蹊大学新聞会」

https://www.seikeipress.com

オススメ記事

【首都直下地震に着実な備えを】武蔵野市 市民に防災対策を啓発

大学生ネットワーク  1月1日に発生した令和6年能登半島地震は、人々の防災意識に大きな影響を与えた。大地震に時間や場所の例外はない以上、準備 … 続きを読む»

若者のための労働組合 学生を使い捨てるブラックバイト

大学生ネットワーク  学生が中心となって構成されている労働組合「ブラックバイトユニオン」。学生による学生のための労働組合である。アルバイト先 … 続きを読む»

祭りの継承【伝統と柔軟性】

大学生ネットワーク  日本に深く根付いている祭り。夏になると多くの人が、夏祭りに足を運ぶ。日本の伝統的な祭りは、現代においてどのように継承さ … 続きを読む»

菅義偉前首相が考える「持続可能なエネルギー政策」

大学生ネットワーク  法政大学新聞学会は、同大学出身の政治家であり、2020年度に第99代内閣総理大臣に任命された菅義偉氏にインタビュー取材 … 続きを読む»

都営住宅、地域と学生つなぐ〜一人暮らしの新たな選択肢へ〜

大学生ネットワーク  2022年11月1日、法政大学(以下、本学)は東京都と「都営住宅及び周辺地域の活性化に係る連携・相互協力に関する協定」 … 続きを読む»

広島大学の校友会学生チーム 地元の食材で一人暮らしの新入生を応援! クラファンが開始!!

大学生ネットワーク  広島大学が、クラウドファンディングプロジェクト『ようこそ広大プロジェクト 地元食材で学生生活の始まりを支えたい!』をス … 続きを読む»

地球規模で広がる大気中のマイクロプラスチック 「海洋」と「大気」では一体どう違うのか!?

大学生ネットワーク  ここ数年、地上波のニュース番組でも「海洋プラスチックごみ問題」に関連して、「マイクロプラスチック」が取り上げられる機会 … 続きを読む»