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祭りの継承【伝統と柔軟性】

成蹊大学新聞会 髙瀬菜穂子

2023.08.23 (水)

 日本に深く根付いている祭り。夏になると多くの人が、夏祭りに足を運ぶ。日本の伝統的な祭りは、現代においてどのように継承されているのか。都市祭礼を研究する法政大学社会学部社会学科の武田俊輔教授に話を伺った。

 祭りの名誉な役に選ばれるための競い合いや、先祖から引き継ぐ責任感は、継承の要因となる。ただそれだけでなく、祭りの継承にはヒト・モノ・カネ・技能などの資源が不可欠だ。これらは地元から調達するものと、行政やボランティアなど外部調達のものに大別できる。戦前は都市の祭りは囃子や山車の曳行などで、外部から人を雇うことが主流だった。しかし、人手や資金の不足から、戦後は地元での育成に注力するようになった。

 祭りの継承は口伝が多く、新型コロナウイルスの影響は大きかった。一方で祭りの過去を見直す機会にもなり、継承の方法を見直すことにつながった。決まった方式を受け継ぐだけでなく、時代に合わせる柔軟性を備えることも、祭りの継承には重要である。

 こうした背景からコロナ禍においても、形や規模を変えて祭りは水面下で行われていた。武田教授は「祭りの継承には、祭りの可能性を広げる先読みのできる人が必要」と語った。今年の夏は、祭りの可能性を考えてみてはいかがだろうか。(髙瀬菜穂子)

※記事は成蹊大学新聞会2023年7月号(No.333)2面より流用
公式HP「成蹊大学新聞会」

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