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プラごみの行方を追う!

地球規模で広がる大気中のマイクロプラスチック 「海洋」と「大気」では一体どう違うのか!?

2022.04.14 (木)

「海」と「大気」に含まれるマイクロプラスチックの違いはサイズ!


 
 ただ、この調査は、正確な測定機材を用いて定期的に行って得たデータではないということで、大河内教授は、大気中に漂う可能性をよりはっきりと示すため、PM2.5を調査する機材を用いて測定しました。

「実は海に漂うマイクロプラスチックと大気中に存在するマイクロプラスチックには、大きな違いがあります。それはサイズです。PM2.5とは、直径2.5μm(マイクロメートル)以下の極めて小さな粒子のこと指しますが、空気中に漂うマイクロプラスチックの大きさもそれと近いものであると推測されるのです」

 大河内教授によると、海で確認されるマイクロプラスチックは目視できる大きさですが、大気中のプラスチックは肉眼では見えない遥かに小さいモノだそうで、空気中に漂っているプラスチックを確認するには、専門的な機材が必要になります。
 

▲分類的には、どちらかというと「マイクロプラスチック」というより「ナノプラスチック」に近い
 
 富士山頂での調査結果では、最初に行った2019年では1立方メートルあたり4.91個、2021年には1立方メートルあたり0.06個から0.19個のマイクロプラスチックが富士山頂で見つかったそうです。なお、ここまで19年と21年の調査で数字のバラつきがあるのは、19年に起きた台風の影響にあるのではと考えられています。

 なお、カンボジアで調べた場合は、PM2.5の領域あるマイクロプラスチックの量が日本で測ったものよりかなり多く、1立方メートルあたり50個という結果になったそう。これは同地のプラスチック投棄などに原因があるのではという仮説が立っています。

 赤道に近い東南アジア地域には雨季と乾季がありますが、乾季で湖から水が引くと、木の上に花が咲いたようにプラゴミが引っかかる光景が見られます。プラスチックは海に到達しなくても、その場で紫外線などで劣化してマイクロプラスチック化するケースもあるようなので、それが大気中に浮遊しているという、仮説です。
 

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