豪田部とは

大学生へ

SDGs企業研究

メリット・デメリットを整理しながらテレワークに挑む協和企画

2020.01.20 (月)

 
 皆さんはテレワーク制度を知っていますか?

 簡単に説明すれば、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

 現在、定時に出社&退社するという制度を見直し、自宅で働く「在宅勤務」やコワーキングスペースやカフェ、出張中のホテルなどを就業場所とする「モバイルワーク」などを推進する企業が増え始めています。それには、どうのような理由があるのでしょうか?

 総務省が実施する「令和元年度『テレワーク先駆者百選』」に選定された株式会社協和企画を取材してきました!
 

メリットだけでなくデメリットも存在!

 
 同社ではまず、2017年上期と2018年に在宅勤務トライアルを一部社員で実施。そして、2019年5月1日より、テレワークとフルフレックスタイムを選択できる制度を導入。現時点で社員の約80%がテレワーク、社員の約75%がフルフレックス制を利用しています。
 


 
 株式会社協和企画の執行役員・柿田京子さんは「テレワークで場所を超え、フルフレックスで時間を超えることで、時と場所に縛られることなく、生産性の高い働き方をしようという考えが現在の目標になっています」と説明します。

 テレワークの分かりやすいメリットを挙げるとすれば、まずは長距離移動や満員電車の回避が考えられるでしょう。

 長距離移動や電車の混雑による疲労がないため、肉体的にも精神的にも負担が軽減されます。他にも子育てや介護をしながら働くことができる、自分だけの環境で作業に集中しやすくなるなどの利点があると思われます。しかし、メリットだけでなく、デメリットも存在し、今後はそのデメリットの修正が重要になるそうです。

「チームミーティングを開こうとすると、人がなかなか集まらないという点や “誰が何をどのようにしてやっているのかわからない”という点も問題点として上がっています。上司と部下、社員同士のコミュニケーション不足や業務認識のズレが生じてしまうことがデメリットになります」

 また、管理職視点からだと結果だけしか見えなくなってしまい、プロセスを評価できないこともデメリットになるそうです。

 しかし、まだ導入から半年ほどであるため、現在は「良い点」「悪い点」も含めて認識することが先決と考えており、制度として機能を発揮するまでに2〜3年はかかるだろうと同社は前向きに捉えています。
 

子供の周辺環境が理解できる点に満足!

 

 
 次に実際にテレワークを活用している社員さんにも話を聞きました。メディカルコミュニケーション本部の今野みどりさんは、テレワーク導入以前にまだ子どもが幼稚園だったこともあり、募集していた在宅勤務トライアルを受けたそうで、それからテレワークにスライドする形になりました。

 幼稚園の送り迎えや授業参観の際に、半休や全休を取得しなくてよくなったこともそうですが、他にもっと大きなメリットがあったそうです。

「自宅で仕事をしていると、午後には小学生の子どもが帰ってきます。単純に子どもと一緒に過ごす時間が増えたことで、子供とのコミュニケーションが増えたので満足しています。ただ、私と子供だけでなく、子供とお友達との関係性など、子供を取り巻く周辺環境を見て理解できるようになったので、その点が一番良かったです」(今野さん)
 

オフィスの自由化で生産性が向上!

 

 
 そして最後に開発事業本部や事業開発室など、様々な役職を兼任している田邊智之さんは、元々夫婦共働きということで、子どものために、在宅勤務のトライアルを希望したひとりだったそうですが、現在は社内でテレワークを一番活用しているひとりであると豪語します。

「私は社外で打ち合わせをする機会が多いのですが、その際、オフィスが固定されていると移動時間が長くなり、肝心の仕事の時間が減ってしまうというデメリットがありました。働く場所が自由になることで、通勤の経路上や取引先との中間地点などコワーキングスペースやカフェを探して、すばやく仕事に取り組むことができています」(田邊さん)

 また、田邊さんはオフィスにこもっていると煮詰まってしまうタイプで、自宅やカフェ、フリーオフィスなど場所を変えることで、良い発想が生まれてくるそうです。生産性は以前よりも向上していると自己分析します。

「プロセスが見えづらい分、より一層結果で評価されるので、オフィスで働いているよりもプレッシャーは大きいと思いますが、それでも良い発想が生まれ、生産性が向上しているので、自分には向いていると思います。自己管理ができる人には、非常に効果を発揮する制度だと思います」

 実際に同社では導入した5月から8月までに同制度についてのアンケート調査を実施。約4割の利用者が「生産性が高まった」と実感し、約7割が「ポジティブな変化があった」と回答しています。

「働き方改革」が形骸化している企業が多い中、メリット・デメリットを整理し、チャレンジしている協和企画。生産性の高い働き方ができる企業として、大学生のみなさんも参考にしてみてはいかがでしょうか。

オススメ記事

「環境と人権を考えることこそがSDGs達成への道!」 環境マネジメントのプロ・サティスファクトリー小松会長が伝える!!

SDGs企業研究  世界では、海洋マイクロプラスチック、食品ロス、埋立地の最終処分場、CO2排出量など様々なゴミに関する課題や問題を抱えて … 続きを読む»

ドラッグストア「トモズ」レジ袋年間3600万枚削減 CO2削減効果は約2200トン!

SDGs企業研究  ドラッグストア「トモズ」を展開している株式会社トモズは、2020年4月1日から2021年3月31日までの1年間で、同社 … 続きを読む»

ゴミ資源問題「プラスチック」だけを“悪”にすべきではない! 消費や分別を楽しみながら取り組める社会が理想

SDGs企業研究  皆さんは資源ゴミを出すとき、なぜ細かく分別するのかその理由を考えたことはありますか? 持続可能社会や循環ビジネスが進む … 続きを読む»

新たな化粧品向け素材が海洋プラスチックごみ問題の解決をサポート! 開発者が重視するサステナブルとビジネス視点!

SDGs企業研究  大阪府に本社を置く日本の大手化学品メーカーである株式会社ダイセルは、2020年10月に開催された国際化粧品技術者会連盟 … 続きを読む»

日本国内で年間6000万本消費! ビニール傘の価値観を変えるサステナブルな傘「大量消費への気づきを」

SDGs企業研究  コンビニやドラッグストア、百貨店…雨が降ればありとあらゆる小売店でビニール傘が売られます。突然の雨の場合、ひとまず安価 … 続きを読む»

三洋商事 大志を抱く若手社員が地球環境・未来創造部を創設! 社員変革をするならまず個人から!!

SDGs企業研究  主に通信機器やコンピューター類などの産業廃棄物の処理・リサイクル事業を手掛けている三洋商事株式会社。  同社は社員数2 … 続きを読む»

日本旅行ならではの「地方創生」 “原点”である地域との連携を活かした「持続可能なツーリズム」

SDGs企業研究    1905年に旅行会社として創業した株式会社日本旅行は、2019年12月にSDGs達成に向けて、「Tour … 続きを読む»