「環境と人権を考えることこそがSDGs達成への道!」 環境マネジメントのプロ・サティスファクトリー小松会長が伝える!!
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2025年までに自社製品容器・包材を100%環境配慮型製品へ! 身の丈にあったSDGsを進めるピエトロ!
2021.02.08 (月)
ドレッシングなどを製造販売している株式会社ピエトロ(本社・福岡県福岡市)は、2020年10月に「株式会社ピエトロの環境配慮への取り組み」と題し、2025年までに自社製品の容器・包材を100%環境配慮型製品へ順次切り替えていく目標を掲げました。SDGs推進室・城戸光一さんと宣伝広報室・岸本由樹子さんにその内容を聞きました。
ピエトロが環境配慮型製品の切り替えに本腰を入れるきっかけになったのが、2019年にG20の議題として挙がった「海洋プラスチックごみ汚染と気候変動」の問題でした。この会議では、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染ゼロを目標とすること、プラスチックごみの発生を最小限に抑えること、可能な限り国内で処分することなどが話し合われました。
「G20で議題に上がった内容を受けて、2019年のわが社は、さらにSDGsを具体的に進めていこうという意思を強くしました。そこで、プラスチック製のドレッシング容器を環境に配慮したものに変えていこうと決定しました」(岸本さん)
同社では2008年にドレッシングボトルに使うPET素材を5グラム削減、2016年には容器の中キャップの形状を変更することでさらにPET素材を削減していますが、バイオマスプラスチックなどのような環境配慮型製品への切り替えは、コストが掛かり経営への影響もあるため、より良い方法を考えてきました。
▲2016年 容器の中キャップの形状変更でPET素材削減(左:旧 右:新)
しかし、世界的に環境問題への取り組みやSDGsへの機運が高まっている中、同社は環境に配慮した製品を消費者に届けるのが、ピエトロらしさだと判断したそうです。
「大企業では、原料調達やコストの問題だけでなく、各部署の承認プロセスもあり、実行するまでかなり時間を要すると思います。スピード感を伴いながら環境配慮型製品に切り替えることは、弊社の規模だからこそできるチャレンジだと思います。2020年現在、完全転換を発表している企業は多くないと思います。もちろんコストはかかりますが、バイオマスプラスチックなどへの切り替えは、地地球環境(社会)、お客様、ピエトロへの『三方よし』につながると考えています」(城戸さん)
2025年までに自社商品の容器・包材を100%環境配慮型製品へ切り替える目標設定にも具体的な根拠があってのものです。それは、全体の生産量80%ほどを占める主力製品である280mlドレッシングの容器を、2022年までに環境配慮型に切り替える計画を進行中で、すでに生産ラインなどの更新作業に入っているそうです。つまり、主力製品のドレッシング容器を環境配慮型製品に切り替えることで、2022年には目標の8割程を達成できると見込んでおり、3年でその他の容器や包装についても、完全切り替えを実施していくというスケジュールです。
「三方よし」経営でSDGsに挑戦!
いち早く容器の環境負荷の軽減に取り組むなど、同社が環境保護や持続可能な社会作りに積極的なのは、その源流に触れなくてはなりません。同社の前社長で創業者の故・村田邦彦さんが、洋麺屋ピエトロを1980年に設立した当初から、お客様に喜んでいただき、そのおこぼれとして利益が得られるという考え方がありました。
加えて、現・代表取締役社長である高橋泰行さんは、創業者の考えを継承し、「三方よし」経営を目指しています。これは、元々江戸時代の近江商人の言葉で、「買い手よし」「売り手よし」「世間よし」という三つの「よし」を指します。社会にも人にもいい物を売って世の中を豊かにしようという考え方で、とらえ方としては現在SDGsが掲げる「誰も置き去りにしない」ということに通じるのではないかと思います。
「微力ながら地球を救うお手伝いをする。そのことを常に考えるのが、企業の社会的責任だと思います。常日頃から、社長の高橋とも『会社のこの行動が地球を救うんですよね?』という会話をして、会社方針に合っているか確認しながら、事業を進めています」(城戸さん)
なお、SDGs推進室を作ろうと決定したのは2018年の3月で、当初はSDGsという言葉が浸透していなかったため「CSR推進室」としてスタートしたそうです。
▲ピエトロの社員による本社ビル周辺の清掃活動の様子
翌2019年3月からは「SDGs推進室」と部署名を変更し、LIMEX(ライメックス)という石灰石と水で作る新素材を使った名刺を採用。また自社レストランで使用する箸をプラスチック製から熊本産の竹箸に変更するなどの取り組みをしてきました。
▲LIMEX素材の名刺(サンプル)
「今でこそ、SDGsのバッジをつけている人も結構見かけますが、少なくとも2018年当時、九州では、弊社のSDGsプロジェクトメンバー以外、つけている方に会う機会は少なかったように思います。営業先などで他社の人から、『そのバッジ何ですか?』、『SDGsって何ですか?』と質問される事が多く、その度に説明していましたね」(城戸さん)
城戸さんは、2020年12月現在でも九州において、SDGsの認知度は高くないと感じているそうです。そのような感覚の中で、ピエトロでは、20~30代の社員が中心の部署横断型のSDGsプロジェクトがあり、様々な活動をしているそうです。
▲フリーアドレス制を導入している同社。※写真はコロナ禍以前の様子
「今の若い人たち、就職先を探している学生さんは、このコロナ禍でものすごく大変だと思います。業種によっては文字通り消えつつある業界もあります。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)によって、企業のビジネスモデルや根本的な仕組みを変えていく時期に来ているのかもしれません。歴史上の大きな転換点にある中、光を見失わずに、前を向いて考えて欲しいですね」(城戸さん)
ピエトロは12月9日が創業記念日で、2020年には40周年を迎えました。この日には、高橋社長から、50周年に向けて社会、お客様、社員などピエトロに関わるすべての人がつながってしあわせになるために「しあわせ、つなげる」という目標が掲げられ、具体的な施策が進行中とのこと。これからもピエトロはさらに進化を遂げていくでしょう!!
株式会社ピエトロ
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