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日本国内で年間6000万本消費! ビニール傘の価値観を変えるサステナブルな傘「大量消費への気づきを」

2021.01.08 (金)

 コンビニやドラッグストア、百貨店…雨が降ればありとあらゆる小売店でビニール傘が売られます。突然の雨の場合、ひとまず安価なビニール傘を買って雨をしのごうと思う人は多いと思います。

「いつでもどこでも手軽に手に入れられる」

 確かに便利なビニール傘ですが、一方で大量に消費されているというデータもあり、環境問題としてクローズアップされています。そして現在、この問題を解決すべく、傘ビジネスに挑戦しているのが、株式会社サエラ代表取締役の山本健さんです。
 

あえて“サスティナブルなビニール傘”にした意味とは?

 
 サエラでは、SDGsの12「つくる責任 つかう責任」と13「気候変動に具体的な対策を」の2項目の達成を目指した、サスティナブルな傘「+TIC(プラスチック)」「+TIC LITE(プラスチックライト)」を生産しています。

 同社の調査によると、日本国内では年間で約6,000万本のビニール傘が消費されているそうで、日本はビニール傘の一大消費国となっています。ビニール傘はビニールと金属でできているため、環境負荷が高く、それを是正するために、リサイクル可能なオールプラスチックを採用したのが本製品の特徴です。
 

▲「さびない、つよい。長く使える」を実現
 
 山本さんはビニール傘にこだわる理由について、「普段からビニール傘を使っている人たちに、大量消費に加担しているという“気づき”を与える商品でないと意味がないと考えているからです」と説明します。

 91年に創業した同社。山本さんによると、当時、多くのビニール傘は台湾で生産されていたそうですが、時代が移り変わると拠点は中国や東南アジアが中心となり、00年代がデフレだったこともあり、傘の低価格化が進んでいったそうです。
 

▲裏話も沢山話してくれた山本さん
 
「傘というのは比較的高価なものだったため、大事に扱う製品でしたが、安価で簡単に購入できるビニール傘の登場によって、『傘』に対する価値観が全く変わってしまいました。いらなくなったら簡単に廃棄、どこかに忘れても『また買えば良い』、コンビニや飲食店の傘置き場での盗難も多いです。それらのすべての要因は、ビニール傘が“いつでも手に入れられる商品”と思い『ビニール傘だしいいだろう』という価値観が根付いてしまっているからです」
 

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