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日本旅行ならではの「地方創生」 “原点”である地域との連携を活かした「持続可能なツーリズム」

2020.09.01 (火)

 
 1905年に旅行会社として創業した株式会社日本旅行は、2019年12月にSDGs達成に向けて、「Tourism for Tomorrow」のスローガンを掲げ、「人」「風景」「文化」をテーマに、様々な取り組みを推進していくことを宣言しました。

 その中で、さらに力を入れている分野が「地方創生」です。そこで豪田ヨシオ部は、SDGs推進チームに所属する地方創生推進本部の山中夏実さんと営業開発部の豊田拓也さんに話を聞きました。
 

独自のSDGsを考える際に気づいた“原点”

 
 これまでに同社は、飢餓問題を扱ったワークショップなどを中学校や高校で実施してきましたが、旅行会社という性格上、例えば飲料メーカーや食品メーカーのように有形商材を扱っていないため、当初はSDGsへの目標を定められずにいました。社内で何度も議論を重ねていくことで、「地方との連携こそ、旅行会社がやるべきSDGsである」という結論に至りました。

 その中で、最初に軸として置いたのが、SDGs17番『パートナーシップで目標を達成しよう』です。

「私たちの業界は、各地域のお客様と関係施設、運輸機関等を結び、旅行を通じ感動体験を提供することで発展してきました。この原点を大切にし、すべての人々が幸福になれるよう、様々な題課の解決に各地域の自治体や学校、そして企業と連携してSDGsに取り組もうと決めました」(山中さん)
 

▲同社がイメージするサステナブルなリレーション
 

現場からの情報が命! 組織形態が最大の特徴!!

 
 ここで一つの特徴として挙げられるのが、同社のSDGsに対する「組織形態」です。一般的に多くの企業では、広報部やCSR部にSDGsに関する専門的な部署を立ち上げ、情報収集や方針決定などを行なっていきます。しかし、同社ではSDGsを推進していく中で大きな役割を担っているのは、実は営業部です。
 

▲社内会議の様子
 
 この組織形態には、ある狙いがあります。

「いつも直接的にお客様に関わっているのは、全国の支店で営業している社員です。普段から各地域の企業や自治体とのコミュニケーションを深めていますので、お客様からの情報を直に吸い上げやすいというのが利点です。その関係性を活かすことで、スムーズに企画提案をできるようにしています」(豊田さん)
 

 
 同社では本社の営業企画本部にSDGs推進チームを設置し、方針決定や運営を行っていますが、全国の支店、社員の考えを尊重し、活動してもらっているそうです。この現場至上主義型の強みを用いて、「持続可能なツーリズム」を提案しています。
 

 
 この「持続可能なツーリズム」とは、地方の環境、風景を大切にしつつ、独自の文化を新たな観光商材としてアピールしていく仕組みです。

「旅行会社というのは元々、旅行の手配をするというのが仕事でしたが、これからは着地型観光への取り組みも重要という判断になりました。地方は少子化が問題になっています。地方の魅力を我々が発見・発信することが、持続可能なツーリズムに繋がります。新たな観光の素材を作ることができれば、それだけ人の流れも活発になるのです」(豊田さん)
 

▲北海道のいさりび鉄道
 
 政府が観光立国推進基本法を2007年に施行してから、確かに国外からの観光客は増え、利益をもたらしましたが、それはあくまでいわゆる観光地だけの話だといいます。

 例えば、京都に関しては市街地に旅行客が密集し、すこし外れた宇治などはそれほど恩恵を受けていないそうです。有名観光地を中心にオーバーツーリズム問題が叫ばれるようになっても、この状況は変わることはありませんでした。それは、長らく旅行が消費として考えられてきたからです。

「今まで旅行というのは、一方的に消費される焼畑商業でビジネスを展開してきました。しかし、その方法はオーバーツーリズムや観光地の環境破壊などにも繋がっていました。旅行地の生活を壊してしまってはいずれ成り立たなくなります。この流れを断ち切り、旅行や観光業を継続していくためには、観光地やそれ以外の地方と連携して新たな方法を探していかなければいけません」(豊田さん)

 新たな方法を模索しながら地域に提案することは容易なことではありません。しかし、ここで「SDGs」という旗印が大きな役目を担っているそうです。

「17の項目が打ち出され、ロゴによって可視化されているSDGsのおかげで、お客様に提案しやすくなっています。地域の優良企業さんもかなり強く興味を示してくれているので、非常にやりやすいです」(山中さん)
 

コロナ禍でも諦めず新たなアプローチで旅を推進!

 
 2020年9月現在、国内外では新型コロナウイルス感染拡大が依然として続いており、旅行業界は大きな打撃を受けています。同社は去年の12月にSDGs宣言をした矢先、コロナ禍に見舞われた訳ですが、冷静に次の策を考えています。

「今後については様々な反転攻勢を考えています。例えばテレワークと旅行を両立できる『ワーケーション』ならば、今までに観光地として人を呼べなかった地域でも居心地がいいという理由で観光資源になります。また、密を避ける森林浴やトレッキングなどを中心とした修学旅行、ZOOMなどを使った交流などを交えたオンラインツアーなど、様々な案が出ています」(豊田さん)
 

 
 地方創生を推進していくためには、やはり“気づき”が重要なようです。

「海外旅行が好きな大学生も多いでしょう。もちろん海外に目を向けることも重要ですが、自分の出身地や田舎の魅力にもぜひ気づいて欲しいなと思います。魅力というのは、住んでいると気づかないものですが、気をつけて歩いてみると『こんなお寺や自然があったんだ』など地元の魅力に気づくと思います」(山中さん)
 

▲石川県白米千枚田の絶景

「日本旅行」公式サイト

http://www.nta.co.jp/houjin/sdgs/

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