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IT・英語・逞しさがきっと身に付く! 笑いあり涙ありのインド留学体験記

早稲田大学3年生 ぺき

2017.10.06 (金)

現地で暮らさなければ分からない! インド人が教えてくれた価値観とは…?

 
 私はこの2か月間、インド人から本当にたくさんのことを学びました。そんな中でも留学の中で特に印象的だったのは「自己主張の大切さ」。というのも現地で生活する中で、私は当初、たびたびインド人に言い負かされていました。例えば、インドでは国民的な交通手段である「リキシャ」に乗った際、高額な料金をドライバーに請求されても反論出来ずただただ受け入れるだけ。初めのころは「日本とは文化が違うのだから仕方がない。彼らの文化を受け入れよう」と交渉することをはなから諦めていました。ですが、生活していく中であるインド人の友人からこんな言葉を掛けられました。
 
「相手の言い分を受け入れることだけが異文化理解ではないんだよ。自分の意見を言ってくれない方が心を閉ざされたような気がして悲しい」
 

▲時には喧嘩もしたインド人の友人。私のためにごはんを作ってくれたこともありました
 
 この言葉は私にとって生涯忘れることが出来ないメッセージです。
 
「相手にわかってもらえるまでじっくり話し合うことこそ『異文化理解』なんだ」
 
 そう気づいてからというもの、私は自分の意見を主張し、時にはインド人と口論になることを怖がらなくなりました。これは私がインドで生活するうえで発見した最も大切な価値観だったと思います。

 また、私は現地で暮らして初めて、インドの多様性に気づくことが出来ました。というのも渡航前、私は「インド=ヒンドゥー教・ヒンディー語」、「インドは危険な国」という凝り固まったイメージを持っていました。ですがいざ蓋を開けてみると、そこはまさに文化・言語のるつぼ。方言を含めればインドで話される言語は1000以上、宗教もヒンドゥー教をはじめ世界三大宗教・シク教・ジャイナ教といった日本では馴染みの薄い信仰も存在しました。私自身、校内で出会ったインド人の多くはヒンドゥー教徒でしたが、旅行や観光先では全く違うタイプのインド人に出会うことが多々ありました。

 例えばデリーにあるシク教徒のお寺を訪れた時のこと。イスラム教とヒンドゥー教の融合体であるシク教は人助けや社会貢献を重んじていて、なんと寺院内ではシク教徒が無料で訪問者に食事を振舞っていました
 

▲身分、国籍、宗教に限らずどんな人にも食事を提供する。寺院内は常にアットホームな雰囲気が漂っていました
 
 私自身、お寺で偶然会ったシク教徒のおじいちゃんにインドの伝統的な飲み物ラッシーをおごってもらうなど、シク教徒の優しさにほっこりした思い出も。実際に現地に出向いたことで、「インド人」という1つの枠組みでは捉えられない、素敵な多様性を見つけることが出来ました。

▲「俺について来い!」と頼もしく声を掛けてくれたおじいちゃん。シク教について外国人に知ってもらうことが彼の生きがい
 
 

ホスピタリティーは日本人以上!? 人情味あふれるインド人の魅力

 

▲インド滞在中、1番仲良くしていた日本語が堪能なアマンさん。私のために毎日お弁当を作ってきてくれました
 
 2か月間、同じ屋根の下で生活を共にしたインド人の友人。喧嘩も度々ありましたが、一緒に暮らす中で、私は彼らの日本人に負けない「ホスピタリティー精神」に感動させられることが多々ありました。

 例えば昼食時、私が近くの屋台で買ったカレーを食べていた時のこと。あるインド人の知り合いが私の姿を見て「屋台の食べ物は体に良くないよ。明日から毎日あなたのためにお弁当を作ってきてあげるからもう外で外食しないで」と提案し、その翌日から2か月間、毎日欠かさずお弁当を持ってきてくれました。
 


▲具材やスパイスが毎日少しずつ異なるカレーを堪能しました
 
 他にも迷った際に道を尋ねれば嫌な顔一つせず最寄り駅まで案内してくれるなど本当に優しいインド人。また、観光客に毛嫌いされがちな物乞いの子どもたちに対して、現地のインド人が食べ物や自分が着ている衣服を渡している姿を町中で何度も見かけました。

 カースト制度や男尊女卑の風潮など、複雑な問題がまだまだ根強く残るインド。そんな難しい状況の中でも、インド人の他人を思いやるまっすぐ温かな国民性に私は心を動かされました。
 

うまい、安い、簡単! 疲れ切った体に染み渡るインド料理

 
 時には辛いと感じることもあったインド留学。そんな中、私の最大の楽しみは安くて美味しい「インド料理」でした。インドというとカレーの印象が強いですが、その他にもこの国ならではの美味しい食事がたくさんありました。特に私が気に入ったのはカレー味のジャガイモをパイ生地で包んでカラリと油で揚げたインドの伝統的おやつ「サモサ」。1個約20円というリーズナブルな値段に加えお腹にズシリと溜まるボリューム満点のサモサは1度食べれば病みつきになること間違いなし! インドに行く機会があればぜひ一度は試していただきたい逸品です。
 


▲「安い・うまい・早い」が三拍子揃ったインドのおやつ「サモサ」
 

 また、留学中は自分自身でインド料理を作ることも。中でも全粒粉という食物繊維を多く含む小麦粉に水と塩を混ぜて作る「チャパティー」は誰でも美味しく簡単に出来るインドのソウルフード。日本でも材料を簡単にそろえることが出来るので、豪田ヨシオ部の仲間たちにもぜひとも振る舞いたいと思います。
 
 ただ、毎日インド料理を食べていると時には日本食が恋しくなることも。インドにも日本食レストランはありますが、値段は屋台で食べるカレーの10倍以上。醤油やめんつゆといった調味料も現地ではかなり高いため、繊細な日本食の味を再現するのはかなり至難の業。これからインド留学を検討する方は日本からダシや調味料を持参することをおススメします。
 

学生時代の今しかできない! 自分を成長させるインド留学のススメ


▲インドで出会ったすべての人に感謝。私にとってもはや第2の故郷です
 
 短いようで長く、長いようで短い2か月間。英語やプログラミングを学んだのはもちろん、日本では当たり前すぎて気づけなかった電気・ガス・水道の有難み、今までの人生でずっと避けてきた人と衝突することの大切さはインドに行ったからこそ気づけた価値観です。もちろん、慣れない環境に身を置くことは良いことばかりではありません。逃げ出したくなったり、自分の決断を悔やむことも時にはあると思います。ですが、そんな状況を乗り越えられた時、自分自身を一回りも二回りも成長させることが出来るのではないでしょうか。

 涙あり、笑いありのインド留学。時間と体力に余裕がある学生時代にしか出来ない挑戦をあなたもしてみませんか?

 それではまた、フィル・ミレンゲー(さよなら)!

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