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2017.12.09 (土)

11月25日、楽天クリムゾンハウス(東京都世田谷区)で、プロアマが多数参加する国内最大級の格闘ゲーム大会「第7回 TOPANGA チャリティーカップ」が開催。豪田ヨシオ部では、大会に参加したトッププロゲーマーに「ゲームと社会貢献」について独自取材した。
同チャリティーカップは、格闘ゲームにおける大会運営、配信やプレイヤーの育成を行なっている株式会社TOPANGAが主催し、2011年からスタート。第7回大会は、150組のチームが参戦し、約750人が参加。大会の模様はゲーム実況配信サイト「OPENREC.tv」でライブ配信され、ネット上でも大いに盛り上がりを見せた。
チャリティーカップの内容は、対戦格闘ゲーム「ストリートファイターV」による5on5マッチ(チーム戦)を行い、1人参加費2000円の全額及び来場者の寄付金、さらにタオルやTシャツなどのグッズ販売の売り上げの一部が、日本赤十字社東京都支部へ日本赤十字社の災害救護活動をはじめとした活動資金として寄付される。また、会場では献血コーナーも設けられており、献血の認知、促進を呼びかけた。
献血に関しては、2017年3月に厚生労働省が発表した「平成28年度血液事業報告」によると、全年齢の献血率はおおよそ6〜7%台と低迷しており、2027年には約85万人分の献血者が不足すると予測されている。20代の献血者数では、平成6年度が200万人以上だったが、平成27年度では100万人以下に減少。
ただ最近では、再生シミュレーションがなされて不足数が減る傾向にあるが、“若者の献血離れ”は依然として叫ばれている。2012年の第二会大会から協力している日本赤十字社東京都支部の担当者は「少子高齢化の影響もあり、若者の献血者数が減少しています。母数を増やすことは難しいので、献血する回数を増やして頂き、苦しんでいる人を救う活動に参加していただきたい。実際にゲームというジャンルと我々がコラボするのは、この『TOPANGAチャリティーカップ』が初めてですが、このような場を通じて、赤十字の事業を知って頂きつつ、社会貢献について考えていただけたらと思っております」とコメントした。
そして、今回初めて同チャリティーカップに協力することとなった楽天株式会社。「楽天ブックス」の広報担当者は、協力に至った理由を「『楽天ブックス』では書籍の他に、ゲーム商材を取り扱っており、TOPANGA様よりイベント協力のお声掛けをいただいたことがきっかけでした。TOPANGA様の『ゲームで社会貢献したい』という姿勢に共感し、当社でも何かできればと思い、今回協力する運びとなりました」と説明した。
また、実際にイベントを体感して、「イベント会場は参加者の歓声と笑顔で溢れており、それを受けてか、生配信をしている画面の中にも会場で歓声が上がるのと同じタイミングで同じようなコメントが投稿され、リアルとオンラインの垣根を超えて大きな一体感が生まれていることに感動しました」とコメント。
トッププロゲーマーは「継続が大事」と口を揃える
ゲーム配信の先駆け的存在であり、実力もトップクラスのマゴ
「僕ら、もともとゲームセンター出身だったんですけど、ゲームセンターって昔は“行っちゃいけないような場所”で、そこで育ってきた人たちが、今こうやってチャリティーイベントで、寄付金を届けることができるっていうのは、『なんて健全なんだ!』って感じますね。もちろん、今後もイベントに関わっていきたいと思います」
国内外問わす数々の大会で好成績を収め、お茶目な性格で人気なボンちゃん(Red Bull)
「今まで社会貢献する場がなかっただけで、したいと思っていたゲーマーももちろんいたと思いますね。他の大会を開いても、こんなに人が集まることってないんですけど、チャリティー企画だと、すごいエントリー数なんです。みんなやっぱり協力したい気持ちはあるんだなって。年々盛り上がっていますし、集まっている金額も増えています。みんなが協力してくれているので、今後も期待できるイベントですね」
「EVO2017」覇者で東大卒プロゲーマーのときど(Echo Fox)
「月並みにはなりますけど、ゲームでもわかりやすく社会貢献できるイベントなので、そういう意味でも意義はありますよね。僕自身はプレイヤーなので、チャリティー企画に参加して、今後もイベントを盛り上げていきたい」
プロゲーマーであり、株式会社「忍ism」の代表取締役でもあるももち(Echo Fox)
「プロゲーマーにしても、普通のゲーマーの方にしてもそうですけど、ゲームをすることって基本的に自分が楽しむことであったり、友達と楽しむこと…いわゆる娯楽。プロゲーマーにとっては仕事であったりするんですけど、そこにチャリティーという、人のために何かをやるっていう活動を、ゲームを通じてできるっていうのは、素晴らしいことだと思います。これだけたくさんの人が参加していただいているっていうのは、社会貢献活動に興味のある方だったり、社会貢献活動をしたいっていう方が潜在的に多かったんだなって、こういったチャリティーイベントに参加すると実感できますね」
日本初のプロ格闘ゲーマーで、世界的に人気を誇る梅原大吾(Twitch/Red Bull/HyperX/Cygames)
「イベントの規模も最初は今の半分以下ぐらいだったと思うんですけど、続けていくことで、いろんな人に知ってもらって、参加者が増えてきました。プロゲーマーの仕事の認知度も上がってきましたけど、同時にチャリティーカップも成長して、すごい良いことだと思っているので、毎年必ず参加するようにしています」
そして、最後に自身もゲーマーであり、TOPANGA株式会社の豊田風佑社長。
「このイベントはやっていて楽しいし、やっていて喜ばれるイベントなので、毎年、継続してやりたいと思っています。日本赤十字社様の寄付や献血活動に協力できるので社会貢献にも繋がり、弊社の “格闘ゲームを中心にゲームの社会的地位の向上”というミッションにも重なる部分だと思っております。チャリティーカップの規模も年々大きくなって、参加者、動画視聴者、スタッフ、ボランティア、企業の方々には、本当に感謝しています。なので、会社が潰れない限りは継続していきたいですね(笑)」
チャリティー企画に対して「もちろん継続」と口を揃えていたトッププロゲーマーたち。年々規模が大きくなっているだけに、「ゲームによる社会貢献」はこれからさらに加速していくかもしれない。
日本時間12月9日〜11日(現地アメリカ:8日〜11日)には、「ストリートファイターV」の世界決勝大会「カプコンカップ2017」が開催される。今回取材に答えた、マゴ、ボンちゃん、ときど、ももち、梅原大吾はいずれも出場。世界一の称号を勝ち取ることができれば、「TOPANGA チャリティーカップ」のさらなる規模拡大も間違いないだろう。
寄付金は後日発表される。
TOPANGA
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