「環境と人権を考えることこそがSDGs達成への道!」 環境マネジメントのプロ・サティスファクトリー小松会長が伝える!!
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ゴミ資源問題「プラスチック」だけを“悪”にすべきではない! 消費や分別を楽しみながら取り組める社会が理想
2021.04.01 (木)
成長必至の産業廃棄物業界! 今後はクリエイティブな人材が必要
プラスチックに関しては、2017年末以降、中国や東南アジアの国々が次々と、日本や欧米から送られてくる廃プラスチックを拒否または輸入規制を強化しています。その背景から、日本国内で処理されている廃プラの量は増えていると予測できます。
中台さんによると、プラスチック製品そのものの抑制に大きく舵がとられてもおかしくない量にもかかわらず、どのように廃プラが処理されているのか、不可解だそうです。
「プロである廃棄物業者としての視点でも、『いつ、どこで、どのように』処理されているか、あまり聞いたことがありません。今後は、アジア圏全体で『アジアネットワーク』を形成して物の扱い方の決まりを作っていかなければならないでしょう。中国や東南アジアなど、ゴミを押し付けられていた国は必要に駆られ、結果的にリサイクル技術が発展しています。今はまだ日本はそういう技術がほとんど発展していないのにも関わらず、どのように処理しているのか、やはりわかりませんね」
ただ、プラスチック製品であっても、品目によっては燃やすべきであるというのが中台さんの考えです。
「一般の弁当容器のなどのプラスチックゴミはかなりリサイクル困難です。使用済みのストローなどもそうです。そういう物は燃やした方が良く、例えば自然由来の成分30%を使うなど、プラスチックの比率を減らすことが重要です。実は自然由来の成分の入ったプラスチックはリサイクルできません。リサイクルできるものはプラスチック100%、それ以外は自然由来の成分を混ぜたものとすれば、かなり変わると思います」
今年も続く新型コロナウイルスの感染拡大ですが、この感染防止のために、良いとされてきたアクリル板、フェイスガード、マスク、テイクアウト用の容器などは、どれもプラスチックを原料としています。状況によってプラスチックはとても使いやすく、我々を助けてくれます。
▲今や至るところで見かけるアクリル版の仕切り
「単にプラスチックを悪者として排除するのではなく、どう使うか考えるのが重要です。最近では、ペットボトル飲料を飲んでいるだけで『悪だ』という過激な人もいます。ボトルはマイボトル、箸はマイ箸ではないとダメという人もいて、私も『環境に関する仕事しているのに、ペットボトルの飲料水飲んでいるの?』などと言われることもあります。別に環境を悪くしたいと買っている訳ではなはないので、あまり堅苦しくなりすぎるのもちょっと違うかなと思います。衛生のためにプラスチックを使うという考えもあると思います。特に医療関係は、使い回しができない物もあるので、逆にプラスチック製が有効かと思います」
中台さんの考える理想の循環社会とは、消費や分別、環境について楽しみながら取り組める社会とのことだそうです。
「焼却した方がいい製品というのは必ず存在します。ポイ捨てを責めず、使い捨ての製品を責めるのは違うと思います。ただ否定したり、批判することは、やめにして欲しいというのが、この業界に関わるものとしての考えです。大量生産・大量消費自体は、本来悪くありません。その後をちゃんと考えることが大事なのです」
これから、物の再価値化を担う産業廃棄物業界は、かなり伸びしろがあることに加え、人類が物を使う限りは存続し続けると中台さんは予測しています。しかし、一般的なイメージはあまり良くありません。
「確かに昔は“ヤンチャな業者”がいましたが、現在はほとんどいませんので、若い人には『産廃業者は怖くないよ、ブラックではないよ!』と、一番に伝えたいです。人が捨てた物をもう一度価値あるものにするのは我々の手にかかっています。今まで注目されていなかった業種なので、新たに入ってくる人次第で大きく変わります。成熟されてなということはその分活躍の場が多いということです」
大学生の就職先として「選択肢」に入りづらい産業廃棄物業界。これまでは「単にゴミを処理する業界」のイメージが根付いていますが、リサイクルなどに関してメーカーにコンサル業務を行う企業もあるそうで、株式会社ナカダイもそのひとつです。今後はよりイノベイティブな業務が増えると中台さんは確信し、業界全体でクリエイティブな人材を求めているそうです。大学生の皆さんも、「選択肢のひとつ」に入れてみてはいかがでしょうか。
▲オフィスに飾られているパネル
株式会社ナカダイ
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