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子育て周囲が見守って

成蹊大学新聞会

2020.01.22 (水)

 育児に励む人々の周囲にも、さまざまなバリアが存在する。その障壁を軽減するためには、私たちに何ができるだろうか。吉祥寺で子育て支援を中心に活動するNPO法人「いずみの会」の上田ジュンコさんに、育児の体験と当法人の取り組みを伺った。

 子育てには多くの良い面がある。子どもを通じて「ママ友」と呼ばれる新しい人間関係ができるほか、生活における計画が思い通りにならない経験はかえって保護者自身の成長にもつながる。また、最近は「イクメン」という言葉があまり使われなくなっているように、男性も子育てを行うことが当たり前になりつつある。

 一方、子育てには苦労も多い。例えば、子ども中心の生活で自分の時間が取れないことだ。そのため、悩みや不安を相談できずにストレスをため込みやすい。さらに、周囲の目も負担となる。外で子どもが泣き出したり走り回ったりすると、周りに迷惑をかけると萎縮してしまう保護者もいる。

 当法人は、そんな不安を解消するために「地域子育て応援マーク」を作製した。これには、笑顔のイラストと共に「I’m on your side」や「みんな泣いて育ったから」というメッセージが書かれている。周囲の人がマークを身に着けることで、人目が気になる保護者に対し、温かく見守る意思を伝えることができる。当法人が運営する子育て施設では、このマークのチャームを700個近く販売した。今後はこのマークのステッカーを近隣のお店にも貼ってもらい、さらに広めていく予定だ。
 

 
 子どもの成長には、保護者だけでなく生活する環境も深く関わっている。育児のバリアを軽くするためには、周囲の協力が必要不可欠だ。上田さんは「温かい子育てをきっかけに、お互いを思いやれる地域を目指す」と語った。吉祥寺の街角で子育てに対するバリアと闘う意思を感じた。

※記事は成蹊大学新聞会2019年12月号(No.320)2面より流用
公式HP「成蹊大学新聞会」

http://sup.karou.jp

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