豪田部とは

大学生へ

大学生ネットワーク

市民自治の結晶 NPOに迫る

成蹊大学新聞会

2020.01.08 (水)

 
 NPOは環境問題の解決に大きく貢献している。その発展にはどのような歴史があるのか。NPOや環境問題を専門とする成蹊大学文学部の高田昭彦名誉教授に話を伺った。

 NPOとは市民が自主的に立ち上げた民間非営利組織である。現在はその多くが環境保護や保健医療の促進、高齢者支援などの社会貢献活動を行っている。

19世紀にさかのぼると、産業発展に呼応した環境保全活動の活発化が見て取れる。1892年には、人の手が入らない自然の保護を目指す環境保護団体「シエラ・クラブ」が創設。さらに1969年、シエラ・クラブの元会長が「地球の友」という環境を守るラディカルな団体を立ち上げた。以上の全米規模の団体が専念したのは、野生生物の保護や環境汚染の問題の解決だ。70年代以降には、新興住宅地に埋められた有害物質による健康被害の発生やエコロジー理念の浸透が、市民による草の根運動を拡大させた。

日本における環境問題への危機意識の高まりは、高度経済成長期の公害に端を発する。四大公害裁判のように市民が実際に被害を受け反対運動を行った結果、行政や企業を動かし、対策を講じさせることに成功した。そして、フロンガスの国際的規制を経て、92年に開催された「国連環境開発会議(地球サミット)」を契機に、人々が環境問題をグローバルな視点で捉えるようになった。例えば、地球の友の日本版である「FoE Japan」は、脱原発や福島支援などの国内の課題に取り組むだけでなく、地球温暖化対策や、発展途上国の環境汚染を防ぐなどの世界的な問題に対処する活動も行っている。

 高田名誉教授は「NPOの活動は市民による自治の結晶だ」と語る。NPOは周囲の環境を自分たちで変えられることを実証しているという。まずは私たちがこれらの団体に関心を持ち、地域や世界が抱える問題を少しでも知ろうとする姿勢が大切だろう。環境保護のボランティアへの参加はもちろん、ごみの分別や節電など、日常生活の中で実践しやすい行動もある。成蹊大学では、けやき循環プロジェクトという学園や地域の環境を守る活動が行われている。そのような活動に今日から取り組んでみてはどうだろうか。

※記事は成蹊大学新聞会2019年11月号(No.319)5面より流用
公式HP「成蹊大学新聞会」

https://www.seikeipress.com

オススメ記事

大学教育によってサステナブルな未来は創造できるのか? 武蔵野大学が新設する「サステナビリティ学科」

大学生ネットワーク  2023年4月に新学科「サステナビリティ学科」を開設する武蔵野大学が8月3日、有明キャンパスで記者発表会を行いました。 … 続きを読む»

広島大学の校友会学生チーム 地元の食材で一人暮らしの新入生を応援! クラファンが開始!!

大学生ネットワーク  広島大学が、クラウドファンディングプロジェクト『ようこそ広大プロジェクト 地元食材で学生生活の始まりを支えたい!』をス … 続きを読む»

地球規模で広がる大気中のマイクロプラスチック 「海洋」と「大気」では一体どう違うのか!?

大学生ネットワーク  ここ数年、地上波のニュース番組でも「海洋プラスチックごみ問題」に関連して、「マイクロプラスチック」が取り上げられる機会 … 続きを読む»

観光マネジメント人材の育成を推進する東海大学観光学部 藤本教授「色んな視点で物事を捉える感覚が必要」

大学生ネットワーク  東海大学は、2022年度に向け全学的な改組改編を進めています。建学80周年にあたる2022年4月に向けて、「日本まるご … 続きを読む»

音楽療法で健康を支援

大学生ネットワーク  音楽療法という言葉を知っているだろうか。これは、音楽の力と人との関わりを使って健康支援を行うことだ。そこで音楽療法につ … 続きを読む»

地域の将来を担う“横断的人材”を育成する東京農大地域創成科学科 本田尚正教授を直撃「学生は共通言語を持ってほしい」

大学生ネットワーク  地方の過疎化が叫ばれ、なかなか有効な手が打てずにいる昨今、様々な事態に対応できる横断的人材が求められています。東京農業 … 続きを読む»

日本学生esports協会 若い世代にSDGs認知拡大・社会貢献活動を推進「ゲームで世界を救う」 

大学生ネットワーク  ここ数年、据え置き機やスマートホン、PCなどの機器を使用したビデオゲーム対戦を、スポーツ競技として捉える「eスポーツ」 … 続きを読む»