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観光マネジメント人材の育成を推進する東海大学観光学部 藤本教授「色んな視点で物事を捉える感覚が必要」

2021.12.21 (火)

新しい観光資源を見つけるだけではなく、その資源をどう維持管理していくか?

 
 観光学部では、これまでに知識や理論を学ぶ講義だけでなく、学生たちが実習できる場を提供してきました。東海大学は全国に複数のキャンパスや施設を配置していることを強みに、様々な地域と連携し、観光地の分析、文化資源や自然資源の保全と活用、イベント開催など、幅広くプログラムを提供しています。

 今回の改組改編に際して観光学部では、これまで4つの柱から「地域マネージメント」「ホスピタリティ&ツーリズムマネージメント」という2つの大きな柱に変更。地域の観光をどのようにして活性化していくのかを学修するのが前者で、レストラン、ホテル、旅行会社、エアライン、鉄道など、観光に関わるビジネスを学修するのが後者です。また、3年生から高輪校舎(東京)で学ぶため、一緒に同校舎で学ぶことになる経営学部、国際学部、情報通信学部など他の学部との連携も深め、サステナブルツーリズムの学習も強化していきます。
 

▲西表島でのエコツーリズム実習(左)、タイでのホテルマネジメント(右)
 

「サステナブルツーリズムで重要なのは、“既存の観光資源をアピールする”、または、“新しい観光資源を見つけるだけではなく、その資源をどう維持管理していくか”という部分です。昨今問題となっていたオーバーツーリズムによって、ある地域の観光資源の価値が下がり、地域住民に迷惑がかかるケースもあります。このような状態を放置しておくと、地域の方々が観光客を受け入れる意識が段々と薄れてしまうなどのさらなる問題が起きる可能性があります」
 

 
 特に地域の人々が中心となって盛り上げていかなければならない観光は、このサステナブルという面を強く考えなければいけない時期に来ていると、藤本さんは考えます。

「例えば、地元の森林を活用しようとなったときに、放置されている森林というのはまだ観光資源とはいえないので、適正に整備しなければいけません。 “ただあるだけ”ではなく、手を加えて、さらに維持管理することが非常に重要になってきます。それが持続可能な地域づくりにつながります」

 観光地として上手く行っていない市町村では、民間企業など外部の企業や組織に頼らないケースも多いようです。もちろん外部に頼り切りも良くないですが、人材が育つまでは頼った方がメリットは大きいそうです。

「地方創生などにも関わってくるので、最初の段階では外部の企業や組織に頼むことも必要です。地域を活性化させ、やがて人材に都心から戻ってきてもらい、さらに発展させるという方法を取ることができれば、その地域は持続的な観光地になっていくと思います」
 

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