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日本に面する太平洋のマイクロプラスチック不遊量は2060年には4倍!!  初めて南極海でもマイクロプラスチックが発見! 

2021.07.29 (木)

 食品容器・包装、文房具・おもちゃ、電気・電子製品、スポーツ用品など様々な分野で使用されているプラスチック。安価で変幻自在、そして衛生面にも優れているため、重宝されていますが、プラスチックが普及してからわずか70年程度で、プラスチックゴミによる環境問題が表面化しています。

 その中でも、マイクロプラスチック海洋汚染問題は深刻です。

 マイクロプラスチックとは、人間の生活の中でどうしても海洋に漏れてしまうプラスチック廃棄物が、紫外線や波などで段々と劣化し、5ミリメートル以下になった微細なプラスチック粒子のことです。ここまで小さくなってしまうと、回収は不可能であるため、学者や研究機関の間では、この問題をどう解決すべきか活発に論議が交わされています。

 そんなマイクロプラスチックの研究に置いて世界をリードする研究者のひとりが、海洋力学分野を専門とする九州大学の磯辺篤彦教授です!
 

▲丁寧に説明してくださった磯辺教授
 
「世界の海に浮遊するマイクロプラスチックの量は、年々増加しています。実際にマイクロプラスチッックが環境や人体与える悪影響は実際にはそれほどよくはわかっていませんが、水性生物に与え続けると体長が大きくならないという調査結果があります」

 最初に世界の海でマイクロプラスチックが確認されたのは、1972年のアメリカ東海岸。磯辺教授によると、その当時、海水1平方キロメートル辺り約3000粒が測量されたようですが、その調査から約半世紀経過した2016年には、人間の生活圏から遠く離れた南極海でマイクロプラスチックが初めて発見され、さらに1平方キロメートル辺り約1万粒も測量されたそうです。

「南極で発見されたことで、マイクロプラスチックが地球上のいかなる海域にも存在することがほぼ確実となりました。しかも、もはや南極でも70年代のアメリカの3倍。これが、マイクロプラスチックが多いと言われている北太平洋になると1平方キロメートルあたり10万粒くらいになるのではと予測されています」

 磯辺教授の研究グループは、太平洋のマイクロプラスチック不遊量は2030年には現在と比べ2倍、2060年には4倍になると予測。特に北太平洋は海洋マイクロプラスチックが多い地域で、主に日本を含む東アジアや東南アジアから排出されているそうです。
 

 
「日本では年間約900万トンを超えるプラスチックゴミが発生し、99%はリサイクルや燃焼によって処理していますが、そのうちの約1〜2%はどうしても処理できずに地球環境に漏れてしまいます」

 では、どのようにすればよいのでしょうか?

「国と企業が協力し、コスト面を考慮してどんなに頑張っても、100%処理するというのは不可能でしょう。『プラスチックは漏れるもの』だという考えの元で、対策を講じなければいけません。ごみ処理の環境が日本ほど整っていない他のアジア地域で、これから処理精度を上げるのは非常に難しいです。結論としては、プラスチック自体を減らしつつ、プラスチックに代わる新たな素材を開発していく必要があります」

磯辺教授の研究の詳細はコチラ!
※トップ画像は、磯辺教授の研究グループの活動の様子

https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/research/close-up/atsuhiko-isobe

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