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バリアフリーを知る 共生への第一歩 相互理解が障害減らす

成蹊大学新聞会

2020.01.27 (月)

 
 近年、駅やショッピングセンターなどをはじめとした公共施設のバリアフリー化が国を挙げて進められている。バリアフリーとは、生活する上で生じる障壁を取り除くことであり、さまざまな考え方が存在する。ここではバリアフリーの根幹について整理する。

▼障害の医学モデルと社会モデル
 障害に対する考え方には、医学モデルと社会モデルがある。医学モデルは、視覚障害や精神障害などの「個人の心身機能の障害」を問題として扱う。これらの障害は、治療や訓練によって解決できるとは限らない。そのため、障害のある人全員に該当するモデルではないといえる。

 一方、社会モデルは障害から生じる障壁全体を社会の問題と捉える。多数の障害のない人に合わせた社会では、少数の心身機能に障害のある人が考慮されず、バリアが生み出されてしまう。このモデルでは、そのようなバリアを取り除くのを社会の責務としている。また、障害の有無にかかわらず共生のできる社会をつくるためには「合理的配慮」が必要となる。これは、その人に合った方法と適切な範囲内で行う配慮のことだ。例えば、視覚障害のある人が試験を受ける際に、点字対応の試験用紙や問題の読み上げ機能を提供することが挙げられる。

▼直面し得る4つのバリア
 社会において直面し得るバリアは4つに分類される。「物理的なバリア」は段差や狭い通路など移動面での障壁を指し、「制度的なバリア」は社会のルールが心身機能の障害を理由に、雇用などの機会の均等を奪うものだ。これらは障壁として広く認知されている。

 しかし、残る2つのバリアは問題視されにくい。「文化・情報面でのバリア」は情報の伝達手段が不十分なために、必要な情報を平等に得ることができないことを指す。音声のみや視覚のみに頼った伝達方法はこれにあたる。また、与えられる情報量が多すぎても、そこから必要な情報を取捨選択することが難しくパニックになる人もいる。「意識上のバリア」は、障害に対する周囲の誤った認識から生まれるものだ。差別や無関心、心無い言葉を浴びせるなど、障害のある人を受容しないことがこれに該当する。

▼こころのバリアフリー
 バリアは、設備の整備や施策を講じるだけでは解消できない。バリアフリー促進のためには、一人一人が他者の立場になって考える「こころのバリアフリー」が必要だ。障害の有無にかかわらず、お互いに理解を深めコミュニケーションをとることが、共生社会に近づく第一歩になる。

《参考文献》
障害ってどこにあるの?こころと社会のバリアフリーハンドブック(国土交通省)

※記事は成蹊大学新聞会2019年12月号(No.320)2面より流用
公式HP「成蹊大学新聞会」

http://sup.karou.jp

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