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広島大の学生 ミャンマー・ヤンゴンのAAR 障がい者職業訓練校を寄付金で支援!

2019.08.01 (木)

 
 6月30日、広島大学で毎年恒例の夏祭り「ゆかたまつり」が開催され、同大学の総合科学部国際共創学科の学生と東南アジアサークル「SEA-J-Connect」のメンバーが中心となり、障がい者のための職業訓練校(ミャンマー・ヤンゴン)で作られた小物入れなどを学内で販売。その売り上げを同訓練校に寄付する支援活動を行いました。

 2019年1月22日~1月29日の7日間、総合科学部国際共創学科の学生と東南アジアサークル「SEA-J-Connect」の一部メンバーを含む広島大学の学生6名(参加者は全員で18名)が、日本政府が進める事業『JENESYS 2018』を活用し、ミャンマー・ヤンゴンにある障がい者のための職業訓練校を訪問。

『JENESYS 2018』とは、アジアの各国において、若者同士の活発な文化交流や日本文化の発信を促進させようというプログラムです。

 ヤンゴンの職業訓練校は、AAR Japan「難民を助ける会」が2000年に設立し、運営。地雷被害者や小児まひ(ポリオ)などによって障がいをもった人を訓練生として受け入れ、裁縫、美容理容、およびコンピューターの訓練・指導を行っています。卒業後は、仕立屋や美容院・床屋の開業、就職または同校の指導者として社会的・経済的に自立できるよう支援もしています。
 

▲職業訓練校は築20年以上の木造レンガ造り。盗難などの犯罪も多いため、外塀に有刺鉄線を張るなど、防犯対策を施している
 

訓練校で足踏みミシンを体験!

 
 実際に現地へ行った広島大学の学生は、訓練校の中を案内され、洋裁コースでは、足踏みミシンを体験しました。

 SEA-J-Connect代表で法学部2年の大庭フランシス光瑠さんは、「電動ミシンしか使用したことがなかったので、扱いに非常な困難を感じた。生徒の皆さんがとても滑らかに使用していたのを見て、職業訓練所の講義の成果について少し知ることができたと思います」と職業訓練校生の器用さに驚愕。

 

▲珍しい足踏みミシンに、みなさん興味津々で洋裁体験に熱中していました(左側の写真の一番左が細見さん、左端から2番目が大庭さん)

 

▲実際に作られている小物類

 そして職業訓練校の内部だけでなく、ミャンマーが抱える社会問題も肌で感じた学生たち。

 今回の寄付活動の発起人の一人でもある総合科学部国際共創学科2年の細見啓人さんは、「健常者であっても十分な収入を得ていない方もいるようですが、障がい者における状況はより深刻だと実際に聞きました。また、地雷などの問題は国内での民族や隣接する地域との対立によって起きているようです。地雷によって被害を受けてしまった方々の支援はもちろん必要ですが、地雷の撤廃や撤去も行われるべきだと感じました」と振り返りました。

 職業訓練校の訪問を終え、帰国した学生たちの中で芽生えたのは、「小さなことでもいいからなにかお手伝いがしたい」「自分たちにできることはなにか」という気持ち。この熱い想いから、今回の寄付活動が生まれたそうです。
 

販売活動に「やりがい」! 継続的な支援も決意!!

 
 毎年、学内外大勢の方が訪れる「ゆかたまつり」。実際に彼らの販売スペースには、大学生だけでなく、地域の中学生、子供連れの家族、高齢者など様々な方が訪れ、小物を購入。その際には商品詳細だけでなく、ミャンマーの現状やAAR Japanの活動なども説明したようです。
 

 
 イベントを終えて、皆さんはどのように感じたのでしょうか。

「ミャンマーでの経験や感じたことを多くの人に話すチャンスとなったのが良かった。継続的な活動にしていきたい」(メンバーAさん)

「ミャンマーの実情を親身に聞いてくれ、ボランティアの一環として物品を購入して頂けたり、興味を持ってくれる人が少なくなかったことに、かなりやりがいを感じることができた」(メンバーBさん)

 以上のコメントからもわかるように、寄付支援活動で中心的な役割を果たした細見さんや大庭さん以外の学生にとっても、非常に意味のある活動だったようです。

 学生さんの尽力もあり、今回の売り上げは60,500円。障がい者のための職業訓練校(ミャンマー・ヤンゴン)へ全額寄付しました。
 

 
「今回で終わらず、継続的な支援を続けたい。ミャンマーに限らず、様々な国を支援していきたい。日本での発信を続け、少しでも多くの人に東南アジアの魅力を伝えたい」(大庭さん)

「国内や国と国との経済的な格差はなかなかなくならないと思う。ただ、経済的に十分豊かでなくても幸せな生活をしている国だってある。経済発展ばかり求めるのではなく、多くの人が幸せになれるような社会になってほしい」(細見さん)

 ミャンマー訪問という体験をただのインプットだけで終えるのではなく、寄付活動というアクションにつなげた学生たち。彼ら彼女らの行動力があれば、さらなる支援の輪も広がっていくだろう。

AAR Japan「難民を助ける会」

https://www.aarjapan.gr.jp

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