豪田部とは

大学生へ

SDGsフォーカス

21世紀には日本の6割の砂浜が消滅!? 重大な環境危機に直面している砂浜問題

2020.11.10 (火)

伐採や工事も影響 災害被害にも拡大懸念

 
 東南アジアや太平洋の島々などでは、沿岸で砂を採取した影響で砂浜が減少していることに加えて気候変動による高潮などで砂浜が浸食され、漁村ごと消滅してしまう例なども増えています。遠い地域の出来事と感じる方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。日本はかなり昔からこの海砂の問題と知らず知らずのうちに付き合ってきたのです。

「瀬戸内海では1960年代後半から1970年代に海砂採取量が増加しました。その後、漁獲量が減ったのは、海砂を取りすぎたり埋立によって浅瀬がなくなったことが関係しているという説もあり、2005年度には完全に砂の採取をやめています」

 砂浜から沖に向かっていく海中をのぞくと、沿岸部と沖の間には砂丘のような若干盛り上がっている境界があるそうで、そこには大型の魚が入れず、稚魚や小魚、ヒラメやカレイなどの住処になっていることが多いそう。そういった環境が海砂を採取することでなくなってしまうという訳です。
 

▲砂浜ノートより 日本自然保護協会(イラスト:NPO法人表浜ネットワーク)
 
 海砂採取の他にも、河川からの砂の供給が減ってしまったことも大きな問題だといいます。終戦直後、日本では戦災で焼失した住居の確保のために、伐採が盛んにおこなわれ、中にはハゲ山になり、地滑りなどを頻発させた地域が増え、土砂災害防止のために砂防ダムが全国の渓流に作られました。また、発電や飲料水供給のためのダム建設などで、本来は海に運ばれるはずだった砂が減少、または停滞するようになりました。

「山からの砂の供給が減ったことは、かなり深刻な問題になっています。ダムに溜まっている砂だけを人工的に流す方法も模索されていますが、ヘドロ状で溜まっているものもあるので、キレイな砂だけ流すことは困難です。そのため、なんとか砂を運ぼうと神奈川県では、砂だけを陸路で運搬し、砂浜を取り戻す試みをしています」
 

▲画像内のイラストを見ると砂の出どころがよく分かる

 

1 2 3

オススメ記事

10月24日は 「世界ポリオデー」 ― 不要なハガキ ・ 切手で、 途上国の子どもたちへワクチン支援

SDGsフォーカス 机の引き出しに“命を救うチャンス”がある。 認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)は、10月24 … 続きを読む»

“映えない旅”が心に残る理由。富山・射水の海辺で出会った、暮らしの温度。

SDGsフォーカス 海と川が交わるまち・内川で感じた「本当の旅」 「映えない旅って、逆に心に残るかも」。 そんな気づきをくれたのが、富山県射 … 続きを読む»

兵庫県神河町 歴史的景観を活用したインバウンドプロモーションを考える「第3回 HYOCON」開催!

SDGsフォーカス  兵庫県は、少子高齢化や過疎化が進む県内の多自然地域の住民が、地域課題解決のため、高い専門性を持つ大学や企業と連携して行 … 続きを読む»

過疎地域救済のアイデア出しを実施! 兵庫県「第2回 HYOCON(ヒョウコン)」開催! 

SDGsフォーカス  兵庫県は、少子高齢化や過疎化が進む県内の多自然地域の住民が、地域課題解決のため、高い専門性を持つ大学や企業と連携して行 … 続きを読む»

大学や企業等との連携で地域課題の解決を目指す! 兵庫県 魅力ある多自然地域づくり「第1回 HYOCON(ヒョウコン)」を開催! 

SDGsフォーカス  兵庫県では、持続可能な生活圏の形成を目指し、地域の活動団体が大学や企業等と連携して取り組む地域づくり活動を「ひょうご絆 … 続きを読む»