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【地方移住したい大学生へ】新潟県糸魚川市にIターン就職した大卒若者女性がアドバイス 「やりたいこと」「環境」「支援制度」が大事!
2021.09.21 (火)
人々の多様な価値観が広がる中で、「生き方」も変化しています。大都市での生活様式に違和感を抱き、「自分のやりたいこと」にフォーカスして、新潟県糸魚川市に移住したのは、群馬県出身で現在24歳の中澤舞夕(なかざわ・まゆ)さんです。
サスティナブルなブラウス製作に惹かれIターンを決意
中澤さんは、都内にある文化学園大学・服装学部ファッションクリエイション学科を2020年3月に卒業し、新潟県糸魚川市にある株式会社美装いがらしに同年4月に入社しました。
どのように会社を探し、どのような基準で入社を決断したのでしょうか。
「私はずっと『ブラウスを縫う仕事に就きたい』と思っていました。私のこだわりを実現できる企業はただでさえ少ないのに、ネット上で情報を公開している企業は、もっと少なく、就職した美装いがらしを含めて数社程度しかありませんでした。実は今の会社は、ネットで探して見つけたのではなく、大学の先生から紹介されて知りました。ネットの情報が乏しい業種は、身近にいる人の情報提供が意外と重要だと感じました」
▲中澤さんの会話から楽しく移住生活を送っていることが非常に伝わってきた
同社のホームページを閲覧し、企業研究を進めていくと、「ブラウスを縫える企業」という他に、中澤さんにとって魅力に映る取り組みを同社は実施していました。
「正直、好きなことが出来るのならば場所はどこでも良いとは考えていましたが、美装いがらしは、自社のファクトリーブランドを展開していて、オーガニックなガーゼを使用していることや在庫を抱えずに取り組んでいました。そのようなサステナブルな点にも惹かれて、入社を決断しました」
「やりたいくないこと」を確認できたからこそ、明確に見えた「やりたいこと」
大学では、デザイン、技術、素材、布地などの座学、服製作のための技術習得、それらの技術を活用した自身の考えるファッションのための服作りやプレゼンテーションなど総合的に服飾のことについて学んだ中澤さん。服飾デザイン会社や大手アパレルブランドに就職するという選択肢もあったはずですが、大学在学中にその選択肢を段階的に絞っていったようです。
ここが大きなポイントになります!
「学校の授業で総合的に学び始めた時は、デザインをやりたいという希望を持っていましたが、学んでいくうちに、自分には向いてないと感じました。また、ショップ店員のアルバイトをしたことがあるのですが、接客や売り上げのことを考えたり、場合によっては、自分が思っていることと真逆のことをお客さんに言わなければいけない点が、どうしても自分には合わずストレスになりました。そこで、改めて自分のやりたいことが精査できたんです。やっぱり、『私はミシンを使って縫うことが一番好きなんだな』って。それが分かった時、自分の進むべき路が分かったので、すごく気持ちがスッキリしました」
ただ、やりたい仕事とはいえ、これまで全く縁のなかった糸魚川市に移住することに不安はなかったのでしょうか。中澤さんは元々物怖じしない性格だとは言いますが、都会の生活に違和感を感じていたことも移住の大きな理由になっています。
「東京にいるときは、自分自身がなにか慌てているような感じがしていました。通学も含めて移動手段は電車に乗ることが多いので、電車の発着時間に合わせて走ったり、満員電車に乗っている時など、『なんかなぁ』と、違和感を持っていました。個人的にですが、都会と比べると地方だと時間の進み方がのんびりしていて、人も優しく血が通っているイメージを持っていました」
充実した支援制度に大満足! 将来的には定住・家族形成へ!!
心理的な問題以外では、市のIターン者向けの保障の数々も魅力のひとつとなりました。糸魚川市では家賃補助制度があり、単身でU・Iターンをした場合は、最大で毎月2万5,000円の補助金が、2年間支給されます。
「大都市や新潟の都市部と比べると家賃は安いですが、やっぱり市からの家賃補助はとても助かります」
他に特徴的な支援制度は、大学などに進学・修学する際に奨学金や教育ローンなどを活用し、修学資金の返済が必要な場合は、そのお金も支援してもらえることです。通常のU・Iターンでは4年間、職種が看護師、介護福祉士の場合は8年間保証されています。支援される金額については本人もしくは親の修学資金の返済金の割合によって、分割して交付されます。中澤さんも奨学金を修学に利用したので、本来は1.8万円返済しなければいけないですが、市から月2万円を支援してもらい返済しています。
地方の場合、移動のために自動車が必要不可欠な車社会であることが殆どです。そのため、マイカー購入に必要な金銭の実質無利子貸し制度を糸魚川市では実施しています。「ふるさと就職資金貸付制度」というもので、就職前2か月から就職後6か月の間に保証人を立てると、単身U・Iターン就職者の場合、返済期限5年間で200万円以内の額が年利1.35%で借りることがきでます。年利が1.35%となっていますが、支払った利息分について市が全額補助するので、実質無利子と言う訳です。
もちろんIターンした上でギャップがない訳ではありません。
「習慣的に自宅でご飯を食べる家庭が多いため、外食チェーン点は少ないです。それに加えて、糸魚川市にはショッピングモールもないため、買い物に行く際には車で隣の富山県まで行く必要があります」
また、地方には独特の習慣や生活リズムがあります。中澤さんはIターンを考える人に向けて、アドバイスします。
「田舎に移住する人は、必ず一度は現地に行くことをオススメします。希望する企業で体験入社などがあれば、必ず活用してください。体験入社で会社自体を観察することも大事ですが、町並みや人の雰囲気を感じることも、非常に大事だと思います」
▲自然の中でリラックスした生活を送っている中澤さん
“よそ者は冷たい目で見られる”という地方のイメージを抱いている人もいるかもしれません。その部分は、I・Uターンを躊躇する理由にも繋がっているケースもありますが、あまりステレオタイプなイメージを持たないことも、地方移住の場合は重要になるようです。
「最初は、社内で話しかけてくれる方が少なかったので、仲良くなれるように、自分から声をかけるようにしました。一度コミュニケーションをとったら、相手も心を開いてくれて楽しくおしゃべりすることができました。今ではご飯をごちそうしてもらうこともあります。コチラが積極的ではなくても、温かく優しい方が多いので、怖がらずに話しかけてみると案外、普通にしゃべることができて仲良くなれると思います」
育児補助も充実している同市。子どもを出産した場合はお祝い金5万円が支給され、第3子からは保育園無料などの支援制度もあります。こうした数々の支援の恩恵もあるため、中澤さんは同市に定住し、将来的に家庭を築くことも目標のひとつとして掲げています。
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