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【気候変動と貧困】今後10年間で新たに1億3200万人が貧困に陥る可能性 新型コロナウィルスの影響で増加懸念も

2021.07.21 (水)

新型コロナの影響でさらに貧困層増加の懸念

 
 2018年に発表した世界銀行の報告書によると、このまま気候変動に対して何も対策を取らなかった場合、2050年までに世界の1億4000万人が今住んでいる場所から移動を強いられ、今後10年で新たに1億3200万人が貧困層になる可能性があるそうです。一人当たりのCO2排出量は、先進国地域で生活している人間に比べると圧倒的に少ないのにも関わらず、受ける影響は不公平なことに先進国で生活する人々と比べると遥かに深刻です。
 
「もちろん、人類約78億人全員が気候変動の影響は受けています。しかし最も大きな影響を受けるのは、やはり貧困地域の人々となります。干ばつなどが進むと水場が干上がり、さらに遠く離れた場所に水を汲みにいかなければいけません。気候変動で住んでいる場所で農作物を作ることができなくなれば、新たな土地を求めてその場所から離れなければいけません。土地や水の争いなどで紛争が起きると、人々は生きるために、移動せざるを得ません。そうすると別の場所の貧困の引き金になるときもあります」

 気候変動に加え、2020年からは新型コロナウイルスもサブサハラアフリカ地域に大きな悪影響を及ぼしているそうです。また、2020年10月に世界銀行が発表したレポートでは、新型コロナウイルスの影響による景気後退を加味した場合、極度の貧困に追い込まれる人は、世界で最大1億5000万人ほど増えてしまう可能性もあるそうです。

「貧困は連鎖することが問題なのです。アフリカでは、貧困家庭になると生計を保つことができなくなり、女の子を早く嫁に出す早婚化が発生します。10代前半の女性が妊娠・出産をするのは貧しい地域になればなるほどリスクが高まります。そして、子どもを産む期間が長くなれば必然的に子沢山となります。貧困に拍車がかかり、子どもを働きに出す児童労働や早婚を次世代でも繰り返すことになります。男の子の場合は児童兵と言って兵士として買われるケースもあります。貧困が人身売買の温床にもなり、その児童兵たちが紛争に関わることで、さらに負の連鎖が続いていきます」
 

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