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【気候変動と貧困】今後10年間で新たに1億3200万人が貧困に陥る可能性 新型コロナウィルスの影響で増加懸念も

2021.07.21 (水)

 

世界の貧困問題、日本人にできることは?

 

 では、「貧困地域を支援するためには、一番なにが必要なのか?」
 
 木内さんは教育援助、水などのライフラインの整備、医療の充実、農業の効率化、植林などによる荒れた土地の再生、その他諸々全てが必要だと言います。全てのことは繋がっており、どれかを欠いてもやはり貧困は改善できないそうです。

「まず、貧困の連鎖から抜けるには、『人のチカラ』が不可欠です。中でも子どもや若者は、次世代を担うキーパーソンです。子どもを家計を助ける労働力ではなく、家や周辺のコミュニティ、さらには国全体を豊かに発展させる原動力であると、社会全体が認識することが大事です」

 ただ、ここで考えなければいけないことは、相手は「人間」だということです。突然、貧困地域に見知らぬ支援者が訪れても、現地の人たちは信じてくれはしません。まず信頼関係を築くことが大切です。じっくり時間をかけて現地の人々が感じている課題を聞き、理解するところから始まります。ともにその解決に向けて何ができるかを考える中でこそ、信頼関係を形成していくことができます。

「現地の人々が、外部から来た人たちに対して、懐疑的になったり警戒心を強めるのは当然のことです。そのため、支援活動をする場合は、地元のリーダー、多くの場合はそのコミュニティの長やその地域の宗教で指導者的立場にある方々からも話をよく聞くとともに、支援の必要性や私たちとの協働を納得してもらうことが大事です。『あの人が言っているなら』という環境を作ることで、現地の人々の、例えば教育や衛生改善への理解が深まったり、行動が変わる足がかりになったりするのです」

 世界の貧困問題を解決するために、異国に住む我々に一体何ができるのでしょうか? 木内さんは「自分事化」という言葉の意味をよく考えて欲しいと訴えます。

「今は世界中がコロナという課題に直面していますが、見方を変えると、全世界が同じ課題を共有している唯一無二のチャンスとも言えます。また、SNS等のツールを活用して若い人から若い人へ課題や解決策が共有されやすくなっていますし、これから世界はボーダレス化が進むと思います。目の前にある問題は世界の問題とつながっているかもしれない、今ここにある解決策は世界の他の場所の課題も解決するかもしれない、そんな姿勢でどんどん発信・共有していって欲しいと思います」

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