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【気候変動と貧困】今後10年間で新たに1億3200万人が貧困に陥る可能性 新型コロナウィルスの影響で増加懸念も

2021.07.21 (水)

 ここ数年、世界各地で問題となっている気候変動が、貧困にも密接に関わっているのをご存知でしょうか?

 豪田ヨシオ部は、貧困、紛争、災害などの厳しい環境下で生活している子どもたちを支援している国際協力NGO「ワールド・ビジョン・ジャパン」の理事・事務局長を務めている木内真理子(きない まりこ)さんに気候変動が貧困層に与える影響について聞きました。
 

サブサハラアフリカは現在・将来に渡り最も気候変動に弱い地域

 
 極度の貧困という括りに入る人々の定義は時代によって変化しますが、世界銀行によると、1日1.9ドル未満で生活しなければならない人々を指します。また、この極度の貧困層の割合は、20世紀末に多いとされていた中南米やアジア地域ではその頃に比べると遥かに減っており、コロナ禍の2020年を除くと年々減少傾向にありました。
 

 
 しかし、「サブサハラアフリカ」と呼ばれるエジプトなど北アフリカを除くサハラ以南の地域は、貧困人口が微増傾向にあり、2030年には世界全体の80%以上の貧困人口が、このサブサハラアフリカに住む人々になるという試算もあるそうです。

 なぜサブサハラアフリカだけが取り残されている状態なのか?

「さまざまな理由があり、多くの専門家が研究していますが、ひとつには政情不安の問題があります。治安が安定しないと、諸外国の支援があったとしても、必ずしも支援を望む施設や人に行きわたりません。投資などのビジネス取引もその国が安全ではない場合滞ります」

 サブサハラアフリカでは、自然環境に依存した生活様式や生計手段を取っている人々が多いため、地球温暖化や自然災害に対して、産業化された先進国の農業に比べると影響をより強く受けると言われています。しかも、アフリカの農業従事者の多くが自身の土地ではなく、地主などの土地を耕すいわゆる小作人です。干ばつなどの自然災害が起きた場合、職を失うこともあり、さらに貧困に陥ってしまう可能性もあります。
 


 
「現地スタッフに聞くと、ここ数年で気候が大きく変わったと心配しています。あくまで個人的に聞いた話なので統計的に正しいかは不明ですが、気温の上昇という単純な事象ではなく、雨季・乾季と分かれていた雨の季節が全く予想できなくなり、農作物をいつ植えていいのかタイミングを図れなくなってしまったという問題も出ているそうです」

 

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