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「世界幸福度1位」今、若い世代の起業熱が高いフィンランド! そのワケは教育制度にアリ!!
2020.07.09 (木)
偏差値が存在しない!? 優れた教育制度の存在が優秀な人材輩出に!
グローバル社会の中で活躍する優秀な人材を確保するには、教育の充実が不可欠です。経済協力開発機構(OECD)が、2018年に発表した国際学習到達度調査(PISA)では読解力に関しては3位で日本の11位より上、 数学的リテラシーは11位(日本1位)、科学的リテラシーは3位(日本2位)、3分野合わせた順位でも上位に位置しています。また、フィンランドは参加国のなかで唯一、読解力と幸福度やワークライフバランスなどの生活満足度の両方が高い国となっています。これは、未来担う若者世代が満足のいく学習と生活を送っている証でもあります。
「授業時間数に関してはOECD加盟国の平均と比べると少なく、宿題もそれほどある訳ではありません。夏休みは2カ月半ありますが、その期間の宿題もありません。偏差値という存在もありません。フィンランド教育の中で重要なポイントは、“考えさせること”でしょうか。つまり、『考える力』=『読解力』が育まれています」
高等教育のテストなどでは、課題は問題を解く(正解or不正解を解答する)というより、指定された専門書や学術書、資料などを読んで、自身の見解などを記す内容が多いという。そのため、不正が起こりにくいということもあり、リモートでの授業やオンラインでの課題提出が盛んで、既に15年前くらいから定着しているそうです。
▲ディスカッションで“考える力”を養う学生たち 写真:Finland Promotion Board
教育制度に関しては、日本の義務教育にあたる基礎教育は日本と同様に9年間続きます。その後は普通高等学校や職業高校を個人の希望によって選択し、試験に合格すれば入学できます。さらにその後、高校卒業資格の試験を経て、通常の大学か職業専門大学(応用科学大学)に進みます。
▲図は冊子「フィンランドの教育」より
「フィンランドの教育は“選択肢の幅”が広く、何度でも学び直せる点が日本と違うと思います。例えば、一度、職業学校を卒業した後に大学へ入学する人や社会人を数年経験してから興味を持った分野を学ぶために大学に入学する人もいます」
ひとりひとりのチャンスを平等にしようという観点から、授業料は大学まで基本的に無料で、大学入学後55カ月間は生活や在宅の手当が支給されるため親などに頼る必要がありません。その期限が過ぎても無利子の学生ローンを活用できるそうです。
自由度は高いが積極性と自律性も高い!
就職の制度はどのようになっているのでしょうか。
「新卒制度がありませんので、学校を卒業したらスキルの高い20〜30代や熟練のベテラン層と同じ土俵で競わないといけません。仕事探しは日本のような就職情報サイトは多くないので、常にアンテナを張り、自分で探す必要があります」
フィンランドでも「インターンシップ」は行われていますが、日本とは違います。日本のインターンは、主に1day〜1週間の短い期間で、仕事の初歩的な部分を学ぶ程度ですが、フィンランドのインターンは、3カ月間ほど企業のスタッフとして扱われることとなり、かなり実地訓練色の強い、本格的な業務になっています。
「フィンランドや他の欧州の国の人が取る夏季の長期間の休暇には、学生の協力が不可欠です。休暇を取る社員と同じように働いてくれる学生がいるので、仕事に穴が空かず休めるのです。学生も自身に合った仕事を見つけられるチャンスになります」
▲バカンスを楽しむフィンランドの人々 写真:Helsinki Marketing
自由度が高いフィンランド。当然、自律性も高く、17〜18歳で家を出てひとり暮らしをする若者が多いという。
「親が子どもの面倒をみる義務もないかわりに、子どもが親の面倒をみる義務もなくなります。経済的な支援のための政府による手当てもありますが、フィンランドでは、“18歳で独立した大人である”という考え方があります」
同著では、フィンランドの働き方について具体的に記されており、フィンランド人の普段の生活やライフスタイルにも触れています。グローバル社会の中で、海外で経験を積みたいと考えている日本の大学生も多いはず。
「特に働き方に関しては、先進的な部分も多いので、海外に出ていろいろな経験をしてみたいと思っている方、少しでも様子を確認してみたいという、学生さんや若い人にぜひ読んで欲しいですね」
ポプラ社「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8201182.html
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