豪田部とは

大学生へ

LGBT就活での問題点3項目…「男女に分かれやすい」「面接官のハラスメント」「情報不足」

2017.11.16 (木)

就活で面接官による理解不足ハラスメント

 
 藥師さんによると、就活シーンにおいてLGBTの若者たちが感じた弊害は、大まかに3つ挙げられるという。
 

 
 1つ目は、「そもそも就活は男女に分かれやすい」という点。例えば、説明会の日程登録、履歴書の性別記載は現状の履歴書では「男」「女」で分かれている。特にトランスジェンダーの就活生はその時に、どのように記入したら良いかわからない、または記入する欄がないため、困惑してしまうという。

 2つ目は、「面接官の理解がなく、適正判断されないケースがある」という点。実際のエピソードとして面接の際に、大学生がLGBTということをカミングアウトすると、面接官から「帰ってください」と言われたケースもあったようだ。また、面接の場で性的な質問をされたこともあり、面接官の理解不足によるハラスメントが起こっている。

 3つ目は、「安心な情報や適切なサポートがない」という点。どの企業、どこの職場であれば、安全に働けるのかが不明確すぎるのが現状であり、大学のキャリアセンターやハローワークでもなかなか支援・サポートがないという。

 藥師さんは「面接でカミングアウトをしたくても、できる人は少ない。当然、職場でもカミングアウトできていない、しづらい状況ですね」と語った。

 「電通ダイバーシティ・ラボ」の調査によると、職場において同僚1人にでもカミングアウトしている割合が約5%、上司1人には約2.5%だという。また、連合の調査では、国内の35%の会社員が、同僚がLGBTだったら「嫌」だと返答したというデータも発表されている。

 藥師さんは職場でのカミングアウトのケースを一つあげた。例えば、社員が「私はゲイなんです」と打ち明けた際に、職場の中で理解がない場合、上司や同僚からハラスメントや嫌がらせを受けたり、昇進に影響したり、場合によっては自己退社をせざるをえないケースになることもあるという。

 「安全な職場で自分の能力を発揮したいと考えているのは、LGBTの人もLGBTでない人も同じです。例えば学生時代に、LGBTに関する活動や研究等をしていた場合、就活面接の場で自己PRとして伝えたい学生も少なくありませんし、就職した先では、セクシュアリティを隠さずに仕事をしたいと考える人も少なくありません。ただ、面接官や職場の理解の不足を恐れ、カミングアウトをしたいと思っていてもできない人がまだ多いですよね」

 

1 2 3

オススメ記事

最新調査「環境によい行動」は、人間にどんな感情をもたらすのか?

SDGsフォーカス 「環境によい行動」は、人間にどんな感情をもたらすのか? もしかしたら、日々の生活や人生設計などに、関係してくるかもしれま … 続きを読む»

危機感を持つ若者が「気候変動」「生物多様性」など環境問題を訴える! スウェーデン大使館で「プレ・ストックホルム+50ユース」開催

SDGsフォーカス  25日、都内のスウェーデン大使館で、若者が中心となり、環境問題を考える会議「プレ・ストックホルム+50ユース」が行われ … 続きを読む»

「日本自然保護大賞2022」表彰 自然保護と生物多様性保全に大きく貢献!

SDGsフォーカス  13日、都内で「日本自然保護大賞2022」の表彰式が行われました。同賞は自然保護と生物多様性保全に大きく貢献した、子ど … 続きを読む»

内定辞退・就活白紙! 被災地・気仙沼への旅をきっかけにIターン就職 大卒女性の価値観を変えた経験とは…

SDGsフォーカス  宮城県気仙沼市といえば2011年3月11日に発生した東日本大震災で、津波による甚大な被害を受けた地域のひとつです。この … 続きを読む»

長野県岡谷市にUターン就職! 都内か?地元か? 自分の判断基準に照らし合わせて就活した大卒若者

SDGsフォーカス  地元で盛んな産業が、自身の望む職種の場合、非常にUターン就職しやすいと思います。しかし、元々住んでいた場所であっても、 … 続きを読む»

国内最大級の移住マッチングイベント「第17回ふるさと回帰フェア2021」10月17日(日)開催!

SDGsフォーカス  全国の自治体と連携して移住を支援する認定NPO 法人『ふるさと回帰支援センター』が、10月17日(日)に有楽町・東京国 … 続きを読む»

【地方移住したい大学生へ】新潟県糸魚川市にIターン就職した大卒若者女性がアドバイス 「やりたいこと」「環境」「支援制度」が大事!

SDGsフォーカス  人々の多様な価値観が広がる中で、「生き方」も変化しています。大都市での生活様式に違和感を抱き、「自分のやりたいこと」に … 続きを読む»