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2017.09.22 (金)

9月20日〜26日は法律で「動物愛護週間」に指定されている。普段から全国の各団体は、講演会やイベントを開催し、ペットの現状、動物の権利、ペットを飼うとはどういうことなのか? などの普及啓発活動を行なっている。その中で、公益財団法人日本動物愛護協会では現在、殺処分低減のために以下の項目に力を入れている。
1:不妊去勢の推奨、手術費用の助成
2:写真パネル啓発
3:チェックシート付きのポスター啓発
4:冊子による啓発
5:譲渡会、講演会の開催
まず不妊去勢手術の助成に関して。協会では飼い主のいない猫限定で、オスに5000円、メスに10,000円の助成金を交付している。不妊去勢の手術は1時間ほどで終了し、その日のうちに退院できる場合もあるが、手術代は動物病院によりバラバラで、助成金内で収めることもできれば、そうでない場合もあるという。その後、不妊去勢した猫の判別や管理をするために、耳カットをお願いしている。

公益財団法人日本動物愛護協会の廣瀬章宏局次長は「世の中には動物が好きな人、嫌いな人、どちらでもない人がいます。不妊去勢をすることで、嫌いな人でも『一代限りなら』ということで理解を得てもらえることもあります」と説明した。
次に写真パネル啓発。23枚の写真で構成され、殺処分されてしまった子猫たちの悲惨な写真もあるが、現実を知る上では、必要なことだろう。全国に無料で貸し出ししている写真パネルは現在、行政や動物愛護団体がメインとなっているが、今後は学校や企業に積極的に展開していくという。
そして、「チェックシート付きのポスター啓発」には、協会独自が決めた「飼い主に必要な10の条件」が記載されている。
1:住宅がペットを飼える状況にあること
2:動物を迎えることに家族全員の合意があること
3:動物アレルギーの心配がないこと
4:その動物の寿命まで(終生飼養)飼育する覚悟があること
5:世話をする体力があり、その時間をさけること
6:高齢になった動物の介護をする心構えがあること
7:経済的負担を考慮すること
8:必要なしつけと周囲への配慮ができること
9:引越しや転勤の際にも継続飼養する覚悟があること
10:飼えなくなった場合の受け皿を考えておくこと
飼う前に、自身の現状や今後のことなどを、改めて考えてもらうように促している。「いくら譲渡活動をしても、蛇口を閉めないことには、その数はなかなか減らせない。動物はファッションやおもちゃではないので、しっかり考えた上で命あるものとして飼っていただきたい」と廣瀬氏は動物を飼育する重大さを強調した。
愛護から考える動物の権利とは…
まず、日本と海外との比較において、動物愛護に違いはあるのだろうか?
動物権利の世界基準としては、「『5つの自由』に基づく動物福祉の評価表(Animal Welfare Assessment)」がある。もともとイギリスで、家畜の劣悪な飼育環境を改善し、福祉を確保するために定められたものだが、現在では家畜のみならずペットや展示動物、実験動物なども含まれている。
1:飢えと渇きからの自由
2:肉体的苦痛と不快からの自由
3:外傷や疫病からの自由
4:恐怖や不安からの自由
5:正常な行動を表現する自由
1は水や餌の十分な提供、2は適切な飼育環境や休憩場所の準備、3は肉体的苦痛の予防や処置、4は精神的苦痛の予防や処置、5は正常な行動や動物の習性に応じた飼育。

廣瀬氏は「考え方の違いなども絡んでくるので、一概にどちらが進んでいる、遅れているとは言えないんですよね。欧米では、ご自身の所有物として、飼えなければ安楽死をさせてしまうこともあります。ただ、日本の飼い主は、捨ててしまったり、誰かに託すことが多いです」と説明した。
「動物愛護」強化のために各団体の連携が必要
日本には数多くの動物愛護団体やNPOが存在している。組織名から「公益財団法人日本動物愛護協会」が各団体を統括しているように思えるが、実はそうではないという。
「特に、私どもが業界を統括しているワケではないので、連携不足な面もある。これからは協力体制を構築していかなければならない。今後は、組織作りを視野に入れて、もっともっと救える動物を増やしていきたいと考えております」
ただ、動物愛護団体だけが積極的に活動しても、なかなか問題を解決することは難しい。我々、一般人がどのように関わっていけば良いかを考え、行動に移すことが大事だろう。特に“動物が嫌いな人”に対して、相互理解を深めていくことが、重要なカギとなりそうだ。
「どうぶつ愛護 フェスティバル」
9月23日(土)11時〜16時/上野恩賜公園内
9月24日(日)13時〜16時30分/東京国立博物館・平成館講堂
「JSPCA Special Day 2017」(譲渡会&講演会)
10月21日(土)10時〜15時/学校法人ヤマザキ学園ヤマザキ動物専門学校
公益財団法人日本動物愛護協会
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