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犬猫の殺処分数、全体の8割以上が猫! 1日に約153頭が命を亡くす現状 

2017.09.26 (火)

 
 現在日本には約2000万頭の犬や猫がペットとして飼われている。ペットを家族の一員とし、たくさんの愛情を注ぎながら暮らしている人も多いだろう。しかし、一方で犬猫の殺処分の問題はいまだに続いている。犬猫の殺処分の総数は年々下がっているが、内訳を見てみると偏った数字がハッキリとわかってくる。
 

出典:環境省ホームページ「犬・猫の引き取り及び負傷動物の収容状況」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

 
 犬・猫の殺処分数は昭和49年から現在まで減少傾向にあり、平成28度の犬猫の殺処分は55,988頭だった。しかし、その中の45,574頭が猫で、総数の81.4%にものぼる。さらに、その猫の中で幼齢(子猫)は29,554頭だった。
 
 まず、全体的に殺処分が減っている主な原因について、公益財団法人日本動物愛護協会の廣瀬章宏局次長は、「芸能人や著名人など影響力のある方々の普及啓発活動の実績」「動物愛護法の改正」「行政・動物愛護団体の努力」の3点をあげた。そこで注目したいのが2つ目である。
 
 動物愛護法(正式:動物の愛護及び管理に関する法律)は平成24年に改正。第三十五条では「犬及び猫の引き取り」について記載されており、やむを得ない理由が無い限り「引き取り拒否」が可能になったという。
 
 廣瀬氏は「保健所や動物愛護センターが引き取りを拒否できるようになった。法律や条例の影響が、犬猫の殺処分総数が減った一因となっている。その反面、一度飼育放棄を考えた人が、拒否されたからといって、その後大切にしてくれるのか、虐待や遺棄につながっていないか心配です」と説明した。
 
 ペットが飼えなくなる理由は、引越し、離婚、死、経済的負担など理由は様々だが、飼育放棄された動物たちはどうなってしまうのだろうか。保健所や動物愛護センターに引き取られた場合、譲渡可能であれば動物愛護団体が一時的に預かり、新たな飼い主を探すこともあるが、一時預かり数があまりにも増加しているため、各団体が手に負えなくなっているという。
 
 廣瀬氏は「どこの団体もギリギリの状態でやっている。その割に譲渡会の会場が少なかったり、回数が少なかったりするので、その場からペットを迎えようっていう認識が、まだまだ浸透していない。ペットを迎える際には、保健所や動物愛護センター、動物愛護団体からの迎え入れも選択肢の一つとして考えて欲しい」と語った。
 

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