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テレビ朝日・山口豊アナが見た限界集落の逆転物語 再生可能エネルギーが地方を救う!

2020.04.06 (月)

 
『スーパーJチャンネル土曜』(テレビ朝日系)や『日曜スクープ』(BS朝日)などでキャスターや現地取材リポーターを務めているテレビ朝日のアナウンサー・山口豊さんが、再生エネルギーに関する著書「『再エネ大国日本』への挑戦: 再生可能エネルギー+循環型社会が人口減少と温暖化の危機を救う!」(山と溪谷社)を出版しました。

 山口さんが実際に見てきた現場とは!? そして、あるべき社会とは!? 山口さん本人を直撃しました!!
 

テレビで伝えていることはほんの一部! もっと伝えたい想い

 
 同書は、山口さんが『スーパーJチャンネル土曜』(テレビ朝日系)の特集で現地に訪れた再生可能エネルギー開発に挑む地方自治体の話を元に書かれています。実は地方には大きな再エネの供給源は眠っているそうで、それは現在の日本の電力需要の1.8倍(約1.8兆kWh)にもなると推測されているようです。

 同書で登場する自治体は岐阜県・石徹白集落、岡山県・西粟倉村など、過疎化・若者不足という厳しい現状の自治体ばかり。しかし、自治体消滅寸前の危機に際し、再生可能エネルギーを活用し、地域を蘇らせようと奮闘しています。
 

▲石徹白、住民がお金を出し合った小水力発電所前にて

 

▲西粟倉村、間伐材で作られた保育園
 
「執筆するきっかけは、地方自治体の皆さんの再エネに取り組む姿を形に残したいと思ったからです。実はテレビ放送は、取材で得た情報の一部しか視聴者に伝えていないんですよね。例えば1時間の取材でVTRに使っているのはわずか3分ほどです。つまり殆どの情報を捨ててしまっているのです」

 実は、再エネに取り組んでいる自治体のリサーチや番組企画書の作成は山口さんが中心となって行っていたそうです。「ちょっと変わり者なので」とご自身を評していましたが、アナウンサー自身が番組の企画を提案することは、テレビ業界全体を見てもなかなか珍しいそうです。

 自分自身でアクションを起こし、本を出版するまでに至った山口さん。その“情熱”はどこから生まれたのでしょうか!?

「元々、地球温暖化などの環境問題に興味はありましたが、やはりアナウンサーになってからは日本の災害現場に行くことも多く、『これの原因は温暖化だよな…』と考えるしかない現場がいくつかありました。2018年の西日本豪雨や去年、関東を襲った台風で、都会の人々も大変な事態に直面しました。その災害の中で、現場を見ているうちに、なにか助けになることはできないかと思うようになっていき、支援につながるような本を書ければと思いました」

 温泉エネルギー・地熱バイナリー発電で財政を回復した福島県・土湯温泉。若い移住者による起業で、地元の使われなくなったスギ林の木材を利用した発電などで、15億円の経済効果を生んでいる岡山県・西粟倉村。太陽光の集中管理、電気自動車の大量導入でエネルギー自給率50%を目指す沖縄県・宮古島など、山口さんは取材で訪れた再生可能エネルギーの現場は、どの場所も強く印象に残っているといいます。
 

▲土湯温泉の地熱バイナリー発電所を取材
 


▲宮古島の太陽光。上空から撮影

 
「田舎は発想が古い人が多いとイメージする方もいるでしょうが実は違います。田舎の中でも特に消滅しかけている限界集落は、追い詰められているからこそ改革をしようと努力をしています。そこで活動している人たちは、非常にエネルギッシュで、私もパワーをもらえるんです」
 

再生可能エネルギーは日本の海外エネルギー依存も解消する!

 
 『再生可能エネルギーを利用した新しいエネルギー源の確保』を大きなテーマとして扱っている同書。現在、日本で一番発電量が多いのが石炭や石油、液化天然ガスを利用した火力発電となっていますが、化石燃料の入手先は殆どが海外から調達しています。実は日本は、水力や原子力など他の発電を合わせたとしてもエネルギーの自給率が11.8%(2018年度)しかないそうです。この問題について、「先進国では最低レベル」と山口さんは指摘します。

「ドイツを例にすると40%ほどの電力を現在再生可能エネルギーでまかなっています。その理由は、実はコストがものすごく安いのです」

 山口さんによると、以前は太陽光発電で化石燃料と同じ発電量を得るとなると、40円/kwhかかっていたものが現在では欧州だと7円/kwhに下がっており、コストの高い発電ということではなく、化石燃料の約半額まで安くなっているようです。

 なお日本国内において、火力発電などに使う化石燃料の調達費は2018年度、約19兆円だったそうです。空前の好景気と言われた2018年度の所得税約19.9兆円に匹敵する額で、消費税(国税)の税収約17兆円を上回る数字です。

「再生可能エネルギーの社会が実現すれば、外国に流れていたこの19兆円が国内で使えるお金になります。発電所はインフラなので、地方で発電している限りは、地方自治体や地域にお金が入ってきます。地方が活性化すれば、必然的に注目が集まり、人が地方へ移行していくようになると考えられます」

 昨年、関東地方を襲った台風15号。特に千葉県は倒木などの影響で停電になるなど、甚大な被害を受けました。

 この被害に関して山口さんは「多くのスギが溝腐病(みぞくされびょう)という病気にかかっていたことも原因」と指摘します。

「千葉の森には戦後に木材確保のために植林されたスギの木が、海外産の木材に押され、間引くことなく長年放置されました。結果、日当たりなどが悪くなり病気のスギが増えました」

 山口さんは自然と共生できる社会作りをしていけば、SDGs17の目標を達成できると信じています。その良い事例が、山口さんが取材した岡山県・真庭市です。

 

▲真庭市の新建材CLTと真庭バイオマス発電所
 

 「スギの木を放置せずに放置林の木を燃料にすれば0円が3000円から5000円になると研究を始めたのが真庭市です。今では年間約24億円もの金額を生み出し、その内14億円を地域に還元し、地方を豊かにしています」

 再生可能エネルギーの取材を通じて、山口さんは“あること”を訴えます。

「再エネの本としてだけではなく、本の中に登場する皆さん一人一人の逆転物語となっています。実際に逆境に立ち向かいながら行動している方々なので、言葉がすごく重いんのです。その言葉の一つ一つから、明日へのエネルギーがもらえる気がします。今、逆境にいる方や悩んでいる方は、たくさん勇気付けられると思うので、ぜひ読んでいただきたいと思います」

 再生可能エネルギーとは……、実は「人間を奮い立たせるエネルギー」だったのかもしれない。

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