兵庫県神河町 歴史的景観を活用したインバウンドプロモーションを考える「第3回 HYOCON」開催!
SDGsフォーカス 兵庫県は、少子高齢化や過疎化が進む県内の多自然地域の住民が、地域課題解決のため、高い専門性を持つ大学や企業と連携して行 … 続きを読むサッカー元日本代表の宮本恒靖「HEROs AWARD」大賞…ボスニア・ヘルツェゴビナでの活動が評価
2017.12.14 (木)
11日、港区六本木のグランドハイアット東京で、スポーツの力を活用して、社会貢献やソーシャルイノベーションを起こそうとしているアスリートやチーム、団体を表彰する「HEROs AWARD 2017」が初開催され、サッカー元日本代表で現ガンバ大阪U-23監督・宮本恒靖氏の「マリモスト〜小さな橋〜」活動が「HEROs OF THE YEAR」を受賞した。
「HEROs」は、元サッカー日本代表の中田英寿氏が発案し創設したプロジェクト。現役時代も引退後もアスリートが社会とつながり、活躍できる仕組みを広げていくために、アスリートの声を集めてスタートした活動である。
「HEROs AWARD」は、日本財団HEROsの調査及び広くスポーツ関係者からの推薦により選考され、“社会課題の認知拡大”、“社会課題に新しい変化や価値を生み出しているもの”、“将来に向けてのビジョンを持ち、継続的に工夫や努力が行われているもの”などが、審査基準として定められている。
「HEROs AWARD」を選考した審査員は以下。
香取慎吾(タレント)、中井美穂(アナウンサー)、中江友里(女優・作家)、藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク代表)、松井一晃(Number編集長)、松田裕雄(株式会社WaiSportsジャパン)、間野義之(早稲田大学スポーツ科学学術院教授 博士)。
今回が初開催となった「HEROs AWARD 2017」は、9月に実施された審査委員会により、6組のアスリートや団体が選出された。
まず1組目は、プロ野球阪神タイガース・鳥谷敬選手の「RED BIRD Project」。
元々、「RED BIRD Project」はプロ野球選手である鳥谷氏が「色々な子供に野球をやってもらいたい」という想いから、フィリピンの子供たちに野球グローブを届ける目的だったが、実際にフィリピンに現地視察した際、子供たちの多くが靴を履いておらず、裸足で生活していたという。鳥谷氏は「もっと必要なものはたくさんある」と考え、今では靴のみならず、文房具など様々な物をフィリピンの子供たちに届けている。
「第一回という記念すべき回で賞をいただけて光栄に思っています。本当にこの賞は協力してくれたスタッフ、賛同してくれた方々のおかげ、そしてみんなで取った賞だと思っています。これからもこの活動を通じて、いろんな子供たちの笑顔を見れたらなって思っています。本日はありがとうございます」
2組目は、プロサーファーであるアンジェラ・磨紀・バーノンさんの「Ocean’s LOVE」。
「Ocean’s LOVE」は2005年にスタートした「障害児へのサーフィンスクール」で、これまでに2000人ほどの子供たちが同スクールに参加。海が持っているヒーリングエネルギーとサーフィン体験を通じて、障害児たちに波に乗れた時の“達成感”を味わってもらい、自信を持たせる取り組みを行なっている。自信を持たせることで、他分野へ積極的にチャレンジすることができるようになり、連鎖的にボジティブな人間に成長できる部分が最大の魅力。アンジェラさんの兄は障害者であり、小学生の頃にイジメを受けたり、他人と同じような経験ができなかったという。そのようなバックグラウンドもあり、当時のアンジェラさんは、「大人になったら障害者が住みやすい社会作りに携われたらなぁ」と思い描いていたようだ。
「『Ocean’s LOVE』をスタートした時は、こういう場所に自分が立っていることも想像できなかったですし、このような賞をいただけることも想像できなかった」とコメントし、参加した子供たちや親御さん、ボランティアスタッフなどに心から感謝。「日本の社会が障害者に優しい社会になれば良い」と未来の夢も語った。
3組目は、元プロボクサー・坂本博之氏の「こころの青空基金」。
坂本氏の活動は自身の人生が基礎となっている。福岡県出身の坂本氏は、自身が物心つく頃に両親が離婚。坂本氏は児童養護施設で過ごすこととなったが、そこで出会ったのが「ボクシング」だった。テレビで「ボクシング」の試合を鑑賞し、プロボクサーになることを志した。
「こころの青空基金」では、自らが全国の児童養護施設に出向き、ボクシングを通して学んできた「夢を掴むためにはどうしたらいいか」「夢を見つけるためにはどうしたらいいか」を子供たちにアドバイス。また、実際に子供たちには両手にグローブをつけさせ、ミット打ちしてもらう。ただ、「こころの青空基金」では、ボクシングの技術を教えるのではなく、今までで生きてきた人生で、一番嬉しいこと、悲しいこと、怒ったこと、様々な想いを拳に乗せてミット打ちしてもらうスタイルを実施している。
「15年間のボクシング人生は、福岡の児童養護福祉出身の子供たちが支えてくれました。引退後、『僕が今できることはないか?』を考え、全国の児童養護施設の子どもたちに、今を熱く生きること、夢を掴むこと、夢に近づいていくことで学んでいくことがある、と教えている」とコメント。この日も足立区の児童養護施設からタキシードを着て会場に向かったようで、「子供たちとの関わりが好き。この賞は子供たちと一緒に受賞した」と笑顔を見せた。
4組目は、J3の福島ユナイテッドFC「ふくしマルシェ」(GMの竹鼻快氏がクラブを代表して登壇)。
福島ユナイテッドFCは、福島県の農家から農産物、加工品製造者から加工品を仕入れ、ホームゲームやアウェーゲーム会場の一部を借りて品物を販売。また、J2の湘南ベルマーレのホームゲームでも、会場を借りて年に3〜4回ほど販売している。
他にもクラブは、実際に桃の木を購入し、農家から直接指導を受け、栽培から出荷まで全て選手が行なっているという。2011年に東日本大震災の被害に遭った福島県。竹鼻氏は「福島県全体が風評被害払拭っていうのを一生懸命やっている。復興はそう簡単にできるものではないので、少しずつだけれどもやり続けていくことが、福島の食の安全や未来に繋がっていくと思っている」とビジョンを語った。
クラブでは、自分たちが活動している地域の中で、「何が課題なのか?」「何で困っているのか?」「街のみんなで何をしようとしているのか?」という部分を考え、活動することを重要視している。
「みなさんと一緒に勝ち取った賞だと思っていますし、これから福島県の街づくりに、どれだけサッカークラブという立場で役に立てるか、みなさんとさらに頑張っていきたいので、今日の賞を胸により一層励んで生きます。ありがとうございます」
5組目は、世界ゆるスポーツ協会の「ゆるスポーツ」(代表理事の澤田智洋氏が登壇)。
「ゆるスポーツ」とは、運動神経や年齢、性別に関係なく、みんなが楽しめる新しいスポーツ。世の中にはない新しいスポーツをゼロから作り上げ、2年半で5〜60種類を考案。もともと、澤田代表も運動が苦手というコンプレックスを抱えていたが、“自分でも活躍できるスポーツを!”という理由で、協会を設立。
考案したスポーツは、手にヌルヌルのハンドソープを塗って対戦する「ハンドソープボール」、100cmをいかに遅く走るかを競う「100cm走」、水風船を使ったバレーボール「バレーボム」など様々。また、最近ではテクノロジー技術も活用。歩いた軌跡をGPS記録して地図にアートを描く「らくがきウォーク」、湯飲みを使いテーブルに映し出されたデジタルみかんを弾き合う「こたつホッケー」などを生み出している。
「運動が苦手な私がこのようなスポーツの賞を取るのは、本当に信じられない。ビックリしている。スポーツというのは誰でも楽しめて、そこにいる人たちがみんな一つのチームになれる。あらゆる違いを乗り越えて、みんなが笑顔でまとまっていく力を持っている。スポーツを通じて世界平和を追求していく」
そして最後に、「HEROs OF THE YEAR」を受賞した宮本恒靖氏の「マリモスト〜小さな橋〜」。
ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルという街で、7歳〜12歳の子供を対象にサッカーだけでなく、様々なスポーツを体験させる活動をしている宮本氏。子供たちがスポーツを通じて学び、子供が大人に成長した際には、より良い社会を作ってもらうという願いを抱いている。
ボスニア・ヘルツェゴビナは旧ユーゴスラビアの地域に位置している国で、これまで民族対立による紛争が勃発し、国が幾度も分裂。「これまでの歴史では、民族同士の衝突が生まれてしまっているが、子供たちの世代はそうであって欲しくない」と宮本氏は語り、「マリモスト〜小さな橋〜」では、紛争中に対立していたボスニア系、クロアチア系、セルビア系の子供たちが一緒にスポーツを楽しむプログラムになっている。
「他の素晴らしいユニークなプロジェクトがある中で、大賞をいただいて非常に光栄に思います。常日頃思っているんですけど、スポーツには力があると思っています。子供たちを教育する力、人の気持ちを動かす力、それを伝えることができるアスリートは社会にとって重要な存在だと思っています。今回のアワードをきっかけとして、日本中、世界中のアスリートが、より自分自身の立場を自覚し、こういった活動にどんどん出ていく社会になるよう、心より期待しています」
以下、受賞一覧
『HEROs OF THE YEAR』
宮本恒靖「マリモスト〜小さな橋〜」
『HEROs AWARD 2017』
鳥谷敬「RED BIRD Project」
アンジェラ・磨紀・バーノン「Ocean’s LOVE」
坂本博之「こころの青空基金」
福島ユナイテッドFC「ふくしマルシェ」
世界ゆるスポーツ協会「ゆるスポーツ」
「HEROs」公式サイト
オススメ記事
農林水産大臣賞は「家庭系食品残渣の堆肥化」に取り組む長崎県立諫早農業高等学校 生物工学部!「第11回 食品産業もったいない大賞」表彰式
SDGsフォーカス 13日、都内で「第11回 食品産業もったいない大賞」(主催:公益財団法人食品等流通合理化促進機構)の表彰式典が行われま … 続きを読む
過疎地域救済のアイデア出しを実施! 兵庫県「第2回 HYOCON(ヒョウコン)」開催!
SDGsフォーカス 兵庫県は、少子高齢化や過疎化が進む県内の多自然地域の住民が、地域課題解決のため、高い専門性を持つ大学や企業と連携して行 … 続きを読む
最新調査「環境によい行動」は、人間にどんな感情をもたらすのか?
SDGsフォーカス 「環境によい行動」は、人間にどんな感情をもたらすのか? もしかしたら、日々の生活や人生設計などに、関係してくるかもしれま … 続きを読む
危機感を持つ若者が「気候変動」「生物多様性」など環境問題を訴える! スウェーデン大使館で「プレ・ストックホルム+50ユース」開催
SDGsフォーカス 25日、都内のスウェーデン大使館で、若者が中心となり、環境問題を考える会議「プレ・ストックホルム+50ユース」が行われ … 続きを読む
日本が挑戦する脱炭素革命 ライバル企業・世代を超えて取り組むべき気候変動問題
SDGsフォーカス コロナ禍による1年の延期を経てイギリス・グラスゴーで、COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)が2021年 … 続きを読む
内定辞退・就活白紙! 被災地・気仙沼への旅をきっかけにIターン就職 大卒女性の価値観を変えた経験とは…
SDGsフォーカス 宮城県気仙沼市といえば2011年3月11日に発生した東日本大震災で、津波による甚大な被害を受けた地域のひとつです。この … 続きを読む
農林水産大臣賞は「家庭系食品残渣の堆肥化」に取り組む長崎県立諫早農業高等学校 生物工学部!「第11回 食品産業もったいない大賞」表彰式
SDGsフォーカス 13日、都内で「第11回 食品産業もったいない大賞」(主催:公益財団法人食品等流通合理化促進機構)の表彰式典が行われま … 続きを読む過疎地域救済のアイデア出しを実施! 兵庫県「第2回 HYOCON(ヒョウコン)」開催!
SDGsフォーカス 兵庫県は、少子高齢化や過疎化が進む県内の多自然地域の住民が、地域課題解決のため、高い専門性を持つ大学や企業と連携して行 … 続きを読む最新調査「環境によい行動」は、人間にどんな感情をもたらすのか?
SDGsフォーカス 「環境によい行動」は、人間にどんな感情をもたらすのか? もしかしたら、日々の生活や人生設計などに、関係してくるかもしれま … 続きを読む危機感を持つ若者が「気候変動」「生物多様性」など環境問題を訴える! スウェーデン大使館で「プレ・ストックホルム+50ユース」開催
SDGsフォーカス 25日、都内のスウェーデン大使館で、若者が中心となり、環境問題を考える会議「プレ・ストックホルム+50ユース」が行われ … 続きを読む日本が挑戦する脱炭素革命 ライバル企業・世代を超えて取り組むべき気候変動問題
SDGsフォーカス コロナ禍による1年の延期を経てイギリス・グラスゴーで、COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)が2021年 … 続きを読む内定辞退・就活白紙! 被災地・気仙沼への旅をきっかけにIターン就職 大卒女性の価値観を変えた経験とは…
SDGsフォーカス 宮城県気仙沼市といえば2011年3月11日に発生した東日本大震災で、津波による甚大な被害を受けた地域のひとつです。この … 続きを読む