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動物虐待の実態…日本動物愛護協会事務局次長が懸念「闇に葬られているものもある」

2017.09.24 (日)

 
 8月末、猫をガスバーナーで焼くなどし殺害したとして、警視庁は税理士の男を動物愛護法違反の疑いで逮捕。容疑者は猫を虐待する様子を動画で撮影し、インターネット上のサイトに投稿していた。
 
 事件を受けて、インターネット署名サイト「Change.org」では、「容疑者に対して懲役刑を求めるキャンペーン」が始動し、9月6日には3万7千人分の署名が東京地検に提出された。現在も同キャンペーンは継続しており、動物を愛する人たちからは容疑者に対する憤りの声が数多く上がっている。
 
 豪田ヨシオ部の取材に対し、公益財団法人日本動物愛護協会の廣瀬章宏局次長は、「私たちも心を痛めている」とコメント。廣瀬氏によれば、動物虐待による検挙数は、氷山の一角に過ぎないという。
 
 そこで、ペット虐待による検挙数を見てみよう。
 

出典:「平成28年における生活経済事犯の検挙状況等について」警察庁
 
 グラフを見てわかるように検挙数は年々増えている。また、今年に入ってから、動物虐待に関するニュースが毎月報じられている。主なニュースでは、2月「小学校に猫の切断死骸」(宮城県)、3月「皮剥がれたネコの死骸」(岡山県)、6月「子猫を釣り竿で殴り殺す」(兵庫県)、「フェンスに猫の死骸」(千葉県)などだ。
 
 廣瀬氏は「検挙されるのは、相当悪質なモノ。それ以外の闇に葬られている虐待もある」と懸念し、「日本動物愛護協会が正確なデータを取っているわけではないですが、実際の動物虐待総数は、検挙数の何十倍もあるのではないでしょうか」と推測する。
 
 大きな事件と見なされれば、警察も動きやすいようだが、細かい部分までには手が届いていないという。
 
「ご飯をあげないなどの飼育放棄。いわゆる『ネグレクト』は、なかなか表に出てこない問題なので、難しい部分もあります。動物愛護団体には当然捜査権はないので、そういった部分も警察が動いてくれると大変ありがたいですね。動物虐待から人への犯罪、重大な犯罪につながるケースもありますので。ただ、私たちも警察に頼るだけはなく、積極的に防ぐ活動をしていかなければならないと思います」
 
 我々、人間にできることは何なのか? 普段から心がけることが大事だが、9月20日〜26日の「動物愛護週間」に改めて深く考えるべき必要がありそうだ。

公益財団法人日本動物愛護協会

http://www.jspca.or.jp

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