豪田部とは

大学生へ

SDGsフォーカス

企業は環境問題から逃げてはダメ! 経営・資金調達・人事まで関係するSDGs

2020.10.29 (木)

 ビジネスの世界で、「SDGs」「ESG投資」という言葉を頻繁に聞くようになった現在。株主や投資家の目は、企業がどのような持続可能な目標を掲げ、実行しているかに注目しています。

 企業や行政などでサステナビリティ分野のコンサルタントを務めている株式会社ニューラル代表取締役CEOの夫馬賢治さんは、どのように「SDGs」と「ビジネス」の関係を捉えているのでしょうか!?
 

SDGs・ESG投資における欧米と日本の差

 
 社会的責任投資という意味のESG投資は、もはや欧米の大企業ではでは当たり前になっています。日本と欧米とでは、どのような違いがあるのでしょうか。

「欧米の企業と比べて、日本の企業はSDGsやESG投資という部分での評価は芳しくありません。例えば、アップルやマクドナルドといったアメリカの大企業だと、具体的に持続可能な社会への取り組みや方針を発表していますし、一見すると『そんなことが実現できるのか』というような大胆な目標を掲げています。世界的な流れとして、環境への悪影響に正面から向き合うことを避けている企業は、投資家や株主から目を向けられなくなる傾向になっています」
 

 
 欧米では投資家からのプレッシャーもあり、短期的な活動だけではなく、長期的で強いビジョンを打ち出している企業が多いそうです。そのため、企業の役員クラスだけでなく、イチ社員もSDGsに対する意識が高く、社会問題に対して危機感を持っているそうです。

「SDGsのゴールを達成できなかったときに『私たちの世界はどうなってしまうのだろう?』という強い危機感を持ち、企業が社会に与える影響をリアルに感じ取らなければいけません。海外では、グレタ・トゥーンベリさんの演説を見て、『何を言ってるんだ?』と小バカにしたり理解できないと、逆に『アナタの方がヤバい。勉強不足』と指摘されるそうです。それだけ気候変動などは、一般的に深刻に受け止められています」
 

 

企業二極化の時代へ!? SDGsと本業を繋げられない企業と繋げられる企業

 
 現在、企業は本業と結びつくような形で、積極的に持続可能な社会作りの面で事業を展開していく世の中になりつつあるようです。
 
「今は日本企業がどれだけESG投資を踏まえてビジネスを伸ばせられるかの転換点にきています。未だに『企業としての社会貢献(CSR)の一環です』と主張しているようでは、時代遅れも甚だしい。そのような企業は、取引先から受注を打ち切られ、投資や融資も受けられれなくリスクが高まっていきます。すでに海外では、役員の人事評価にまで環境に関する成果目標が設定されています」

 2015年に「国連持続可能な開発サミット」が開催され、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。日本でも政府がSDGs推進のために、企業や自治体、NPOやNGOなどと協力し、様々な取り組みを始めています。

 日本では「SDGs」と謳われる前から、積極的に活動をしている企業もありますが、それが「本業に繋がっているか!?」という部分では、海外に比べるとかなり少ないようです。

 欧州では特に気候変動の問題に関心が高く、2010年頃には既に持続可能な社会に向けての構想が、国、民間、企業問わず論議されてきました。脱プラスチック化の推進やクリーンエネルギーへの移行運動もその影響を強く受けています。また、企業もそれが大きなビジネスチャンスになるため、環境問題の解決につながるようなビジネスモデルの構築に力を入れているようです。

「この環境問題をビジネスにつなげて伸びていく企業とそうでない企業というのが、徐々に出始めています。例えば、再生可能エネルギーに関わる技術を所持している企業は、新たな技術を発展・提供することで、どんどん伸びています。この面でも日本企業は遅れて言わざるを得ないです。日本では、新たな技術開発に向けて積極的にチャレンジをしていかなければいけないのに、既存の技術ばかりに目を向けて、時間と資金を費やしている傾向があります。そのせいで、世界の企業からどんどん差を付けられている印象があります」
 

 
 例えばソーラーパネルなどは、2008年頃まではシャープが世界をリードしていましたが、今では欧州や中国の企業が席巻し、トップ5にも入らなくなっています。

 その中で、やはり問題になってくるのが「人財」です!

「優秀な人財を確保できなければ、企業は成長できません。今まで求職者は、『給料』『やりがい』といった部分で就職先を選んでいますが、これからは『SDGsとビジネス』といった視点での企業選びが加速すると思います。その点においても、SDGsは非常に重要なのです。これは技術開発だけの課題ではなく、人事や広報の課題でもあります」

 企業における「SDGs」「ESG投資」という部分は、経営者層だけが取り組む課題ではなく、それがどのようにしてビジネスに結びつくか、部署や社員が個々に考える必要があるでしょう。欧米と比べるとまだまだ問題意識が低い日本。コロナ禍といった苦境の中で、企業のさらなる真価が問われそうです。

大学生就活アンケート「環境に配慮した企業を考慮」8割超え!

https://godabu.jp/forcus/4192

オススメ記事

世界的に「脱プラ」推進で木材が脚光! 木を伐採しない育林とは!? SDGsと林業の課題は!?

SDGsフォーカス  世界的に「脱プラ」が推進される中、建材や日常の消耗品のプラスチックに変わるものとして、紙の利用が注目されています。消費 … 続きを読む»

「SDGsとPONYリーグの関連性」元プロ野球選手・広澤克実氏を直撃! 社会貢献への想いが強くなったカンボジアでの現実

SDGsフォーカス  日本でも大人気のスポーツである野球。プロ野球、大学野球、高校野球、少年野球などのカテゴリーがありますが、PONYリーグ … 続きを読む»

大卒若者 偶然の出会いをきっかけに茨城県Iターン就職 地方移住で必要な心得「過度に期待しすぎないこと」

SDGsフォーカス  コロナ禍のなか働き方も大きく変わろうとしている昨今、東京・大阪などの大都市圏内で就職せずに地方へのI・Uターン就職を視 … 続きを読む»

【アンケート調査】消費で重視する点「エシカル消費」3割未満 認知と理解不足が多数「よくわからない」

SDGsフォーカス  SDGsの推進とともに、エシカルに関しても注目が集まっている昨今。消費者は「エシカル消費」に対して、どのような考えやイ … 続きを読む»

21世紀には日本の6割の砂浜が消滅!? 重大な環境危機に直面している砂浜問題

SDGsフォーカス    2013年に『Sand Wars(サンド・ウォーズ)』というドキュメンタリー映画がフランスで公開されまし … 続きを読む»

「SDGsと就活」のキーポイントは!? コロナ禍での企業選び「安定か? 挑戦か?」

SDGsフォーカス    大多数の大学生が悩んでいる「就職活動」。これまでは「やりがい」「給料」「福利厚生」「社風」が企業や業界を … 続きを読む»

「ゴミ清掃芸人」マシンガンズ・滝沢秀一 当事者だから感じる日本のゴミ問題、食品ロス、そして人生

SDGsフォーカス    太田プロダクション所属のお笑い芸人でありながら、週4~5日にゴミ清掃員として働いているお笑いコンビ・マシ … 続きを読む»