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震災から7年、「あの時・今・これから」について考える おちゃっぺ会レポート
早稲田大学3年 ぺき
2018.03.11 (日)
「『復興』って何だろう?」 過去・現在と向き合って感じたこと
東日本大震災が発生したのは私たち大学生が小中学生だった頃。当時、何が起こっていたのかをきちんと把握しないまま現在に至り、震災について考えることも殆ど無くなってしまった学生も少なくないのではないかと思います。だからこそ、震災から7年が経った今、避難者の方々から直接伺う事実や想いは、参加学生に大きな気づきや学びをもたらしました。
「避難者の方々一人一人の表情や声のトーンから現状の重大さ、難しさを痛感した。メディアを通して間接的に得る情報ではなく、当事者の方々にお会いして生の声を聞くことの大切さをおちゃっぺ会に参加して改めて理解できた」(東洋大学2年、男性)
「震災ボランティアというと、現地に赴いてがれき撤去をするイメージが強かった。でも、おちゃっぺ会に参加したことで東京に居てもできることがあると気づき、自分も何かアクションを起こしたいと思った」(中央大学3年、女性)
又、今回がおちゃっぺ会初参加である豪田ヨシオ部のインターン生4人にも、避難者の方々のお話を伺ってそれぞれに新たな気づきがありました。
避難者の方々のお話を伺った後、学生だけを集めて心境の変化、おちゃっぺ会を通しての気づきを共有しました
「自分も災害の被災者になり得るということをリアルに感じました。今までは支援する側の視点で自分に何が出来るのかを考えていましたが、お話を通じて災害が起こった時に自分がどう行動するべきなのかを考えさせられました」
「避難先の環境が引き金になって震災直後の経験を思い出し、今も尚苦しんでいる方が居ることを初めて知り、『自分は震災について何も知らなかったんだな』と思いました。だからこそ、これからはおちゃっぺ会だけでなく自ら積極的に避難者の方々に会いに行ってお話を直接聞きたいと思いました」
「徐々に避難指示が解除されていることをニュースで知り、会に参加する前は『避難者の方々はやっと故郷に帰れるようになったんだ』と思っていました。でも、今回『帰りたくても帰れない』という事実を知り、自分の考えの浅さを痛感し、もっと物事を多面的に深く考えていきたいと思いました」
「被災者の方々の話を聞いて、“ふるさと”という居場所が、いかに人間が生きる上で重要な場所か、ということを再認識しました。おちゃっぺ会は現実的には“ふるさと”ではないけれど、一年に一度、被災者の方々が私たち学生と穏やかな時間を過ごせる場所にしていきたいと感じました」
そして今回、おちゃっぺ会を復活させるにあたって準備から当日の運営に至るまで、多大なるご協力をいただいた文京区社会福祉協議会の職員の方々。2011年から7年間、おちゃっぺ会に関わり続けている浦田愛さんはイベント後、
「おちゃっぺ会を心の拠り所と思ってくださっている方々のためにも、今回、イベントを復活させることが出来て本当に嬉しく思っています。また、この会は参加者の交流だけでなく、避難者の方々の経験を伝えていく場としても、とても有意義だと思いました。これからも豪田ヨシオ部がおちゃっぺ会を通して、避難者の方々に元気を届けてくれることを大いに期待しています」と仰っていました。
さらに、学生だけでなく、避難されている方々からも「おちゃっぺ会に参加したことで学生からパワーが貰えた」「『震災を風化させたくない』という想いを持って活動している若者がいると知って、少し気持ちが明るくなった」という声が挙がりました。“おちゃっぺ会”というイベントを通じ、今まで関わりのなかったたくさんの人たちと知り合い、顔なじみの仲間と再会したことで多くの参加者の方の心に何かしらの変化が起こったようです。
2011年3月11日から7年が経過し、震災によって甚大な被害を受けた福島県、宮城県、岩手県では除染作業や宅地整備が進みつつあります。ただ、今回の5人の方々のお話からも分かるように、それだけでは復興が完了したとは言えません。地域コミュニティの崩壊、原発に対する恐怖心など様々な問題が存在し、同じ土地や一つの屋根の下で暮らしてきた人たちの中でも、戻る人と戻らない人、危険を恐れる人と安全を信じる人に分かれています。
-「復興」って何だろう?
イベント終了後、そんな想いが私たち学生の中に芽生えていました。そして同時に、今後年に一度開催するおちゃっぺ会を通して、あの日の出来事、そして現在起こっていることから目をそらさず向き合い、未来に向かってこれから自分たちに何が出来るのか、考え続けていきたいと思いました。
そしてイベントの最後には、1年後の自分に宛て、参加者全員で手紙を書きました。来年のおちゃっぺ会で今回参加した29人全員で手紙を読むことを楽しみに、各々が自分の想いを手紙に託していました。
参加者1人1人が真剣なまなざしで黙々と筆を進めていました
今後は豪田ヨシオ部が年に一度のペースで開催していくおちゃっぺ会。来年はより多くの人たちを巻き込み、未来に向けて自分たち若者に何が出来るのかを考え続けたいと思います。
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