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長野県岡谷市にUターン就職! 都内か?地元か? 自分の判断基準に照らし合わせて就活した大卒若者

2021.12.06 (月)

 地元で盛んな産業が、自身の望む職種の場合、非常にUターン就職しやすいと思います。しかし、元々住んでいた場所であっても、働くとなると不安なこと、不明な点も多いものです。長野県岡谷市出身の堀川寛高さんは、どのような判断や想いでUターン就職を決めたのでしょうか!?
 

希望の企業があるのならUターンも選択肢として重要

 
 堀川さんは神奈川県にある関東学院大学理工学部に入学し、2019年3月の卒業までは通学のため同県に一人暮らししていましたが、就職は自身の地元、岡谷市にある総合建設会社の株式会社岡谷組を選び、2019年4月Uターンしました。

 現在、岡谷市がある周辺はかつて国内の4分の1を占めたというほど製糸業が栄えた地域で、戦後は時計、カメラ、計測器、プリント基板など精密機器を作り地域となり、諏訪市や下諏訪町とともに、「東洋のスイス」と呼ばれる場所です。

 そのため、もの作りに関わる企業に関して元々選択肢が多く、市全体としても、優秀な人材確保のためにU・Iターン事業を地元企業と協力し推進しており、市内で移住・定住の準備活動等で岡谷市を訪問した場合やワーケーション活動を実施した場合に、交通費、宿泊費、移住体験住宅の家賃、レンタカー借り上げ料について、その費用の一部を助成する制度や最大24カ月間18歳以上30歳未満の単身世帯者に1万5千円の家賃補助をする制度もあるようです。
 

 
 堀川さん自身はというと、元々は強く地元に戻りたいという意思はなかったものの、就職先の候補の中には地元企業も最初の段階で入れていました。

「建設業に携わりたいとは思っていました。ただ地元だけではなく、都内も含め、他の場所という選択肢もあり、自身に合っている企業を絞っていく段階で、最終的に地元企業という答えになりました」
 

住み慣れた地域だからこその安心感

 
 Uターンの利点は、なんといっても元々住んでいた場所なので、住んでみてのギャップがないという点です。地域住民の性格や気候風土、インフラの良し悪しなども最初から把握しているため、イチから調査せずに済みます。さらに小中高生時代の知人との集まりに気軽に参加できるということも、戻ってきてよかったと思う理由のひとつとのこと。

 また、土木や建設などの企業は、遠くの現場に行くことも多いですが、地元密着型の企業と都市部の大手企業だと、その“遠出”の範囲も大きく違うようです。

「岡谷市に戻ってきてからは自宅から職場に通っていますが、職業柄、場合によっては単身赴任とはいかないまでも、数日から数週間、遠方の現場のため寝泊まりするということもあります。ただ、遠くても県内が殆どその点では、安心ですね。都内の大規模な会社だと、全国各地の現場を飛びまわる機会も多く、あまり遠くに行かないことも就職時の判断基準としたので、岡谷組は自分の判断基準に合っていました」
 

▲現場の様子
 
 もちろん岡谷市そのものも堀川さんにとって住みやすい故郷とのことです。

「長野県の中では、雪が殆ど降らない地域で、交通の便も悪くないです。大きな買い物をする場合でも近隣の松本市や、長野市にもすぐに行ける上に高速道路を利用すれば隣の山梨県へのそれほど時間がかかりません」
 

たとえ地元であっても職場見学は大事!

 
 堀川さんは、地元企業への就職でしたが、たとえ地元であっても、事前チェックは大事だと就活生にアドバイスします。インターネットで調べて、どういった企業なのかを確認するのはもちろんのこと、地元企業が都内で職場紹介・斡旋のイベントに参加する可能性もあるので、常にアンテナは張っておくに越したことはありません。そして、現地にいつでも行けるように準備しておくのも欠かせません。

「私は、色んな就職情報を調べたうえで、県内の会社をあらかじめ絞って、次のステップに行きました。今の会社に関しては、インターンシップで実際どういった企業なのかを確認しました。就職する前に職場を見ておくことは大事だと、経験者として強く思います。会社の雰囲気は行かないとわかりません。インターンシップではなくても、職場見学はかならず行くべきです」

 職場を選ぶ際、このように働きたいという明確なビジョンがあればあるほど妥協しない方がよさそうですね。ただUターンは、Iターンよりは気が楽だと堀川さんは自身の経験を踏まえ伝えます。

「昔から知っている場所なので、たとえ最初の就職で失敗しても、慌てず次の職場を吟味できるので、その点では精神的にも楽だと思います」

 就職先を取捨選択する場合、「場所」を重視する方も多いと思いますが、「場所」を選択肢から外すと、もしかしたら本当に「やりたいこと」ができる企業が見つかる可能性が高いかもしれません。特に「やりたいこと」が明確な大学生は、「場所の選択肢の有無」をもう一度、再考してみてはいかがでしょうか。

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