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Jリーグクラブチーム同士も協力体制 JIFFが取り組む「インクルーシブフットボール」

2020.02.10 (月)

 
 2019年、日本サッカー協会(JFA)と日本障がい者サッカー連盟(JIFF)が協働し、全国9地域で障がい者サッカーの連携会議を初めて開催。一体どのような活動なのでしょうか?

 豪田ヨシオ部は、日本の障がい者サッカーを統括している日本障がい者サッカー連盟の専務理事・松田薫二さんを直撃しました!
 

知ってる? 障がい者サッカーの種類は多数存在!

 
 2016年4月に設立されたJIFFには現在、以下の7つの競技団体が加盟しています。

●切断障がい者向けの「アンプティサッカー」を統括する日本アンプティサッカー協会
●脳性まひ者向けの「CPサッカー」を統括する日本CPサッカー協会
●精神障がい者向けの「ソーシャルフットボール」を統括する日本ソーシャルフットボール協会
●知的障がい者向けの「知的障がい者サッカー、フットサル」を統括する日本知的障がい者サッカー連盟
●重度障がい者向けの「電動車椅子サッカー」を統括する日本電動車椅子サッカー協会
●聴覚障がい者向けの「デフ(ろう者)サッカー、フットサル」を統括する日本ろう者サッカー協会
●2020年の「東京パラリンピック」の正式種目である視覚障がい者・主に全盲者向けの「ブラインドサッカー」と弱視者向けの「ロービジョンフットサル」を統括する日本ブラインドサッカー協会

 団体設立は共生社会の実現を目指してのもので、JFAの関連団体として7つの競技団体の支援や内外の連携を行なっています。

 2019年度には、スポーツ庁の委託事業として、北海道・東北・関東・北信越・東海・関西・中国・四国・九州の全国9地域で「9地域障がい者サッカー連携会議」を開催できるまでに発展しました。

 地域連携会議は、誰もが、いつでも、どこでもサッカーを楽しめる環境づくりを推進するため、地域における障がい者サッカー団体と47都道府県サッカー協会、Jリーグクラブ、Jリーグ百年構想倶楽部による協力体制を整備しつつ、障がい者スポーツの推進や7つの障がい者サッカーの活動エリア拡大を促進することを目的としています。
 

“偏見をなくすため”サッカーを通じて理解し合う!

 
 JIFFでは、設立初年度から「インクルーシブフットボールフェスタ」という障がいの有無に関わらず、楽しめるサッカーフェスティバルを開催しています。2019年度には、J1のクラブチーム・サンフレッチェ広島の協力を得て、広島県で初めて地域展開。その際には、元同チームで活躍した森崎浩司さんと森崎和幸さんがゲストとして出演し、イベントを盛り上げました。
 

 

▲「インクルーシブフットボールフェスタ広島」では、子どもたちのまぜこぜのサッカーや電動電子サッカー、アンプティサッカー、ブラインドサッカーの体験会も実施©︎日本障がい者サッカー連盟
 

「現状で障がい者サッカーで知られている種目といえば、パラリンピックの種目になっているブラインドサッカーだけかと思います。日本国内では障がい者サッカーだけでも13の代表チームがありますが、知名度は低いです。障がいを持っていて運動をしたいと思っている方も知らないほどです。そんな中で、Jリーグチームの力も借りて、地域でイベントを開催できたことは大きな進歩です。マスコミからの取材もありましたので、わずかかもしれませんが、周知できたと思います」(松田さん)

 JIFFとしては、まず始めにインクルーシブフットボールフェスタに参加してもらい、様々な人と混ざってサッカーを楽しんでもらうことが“周知”への第一歩と考えています。

「よく子どもの体力不足などが問題になることがありますが、実は障がい児はもっと深刻なのです。学校で運動する以外は、バスで送り迎えの学校も多いので、放課後に体を動かすという習慣が少ないからです。また、保護者によっては、障がいのあるお子さんを外に出したがらない方もいらっしゃいます。そういった方々に向けて、障がいの有無は関係なく、混ざってサッカーを楽しめることや、障がい者サッカーの存在を知ってもらうことで、理解を深めていければと思っています」

 もちろん、この“理解を深める人々”には、私たちも入っています。いわゆる健常者と言われている人達の意識が変わっていかなければ、偏見もなくなりません。一緒にサッカーを楽しむことによって、障がいのことにも興味を持ち、障がいの理解が深まることがなにより大事なのです。
 

障がい者サッカーを取り巻く壁


 
 地域連携会議では、それぞれの障がい者サッカーの状況や課題を共有していますが、やはり一般のサッカーと比べると環境が全然違います。代表チームの活動においても、大会に参加するためには、遠征費や高価な機材を含む競技用品の購入・維持費、人件費などの費用が多く必要となり、厳しい状況が続いています。

「例えば電動車椅子サッカーですと、まず海外のチームと試合をするには、国際ルールで決まっている時速10キロの電椅子を揃えることが必要です。さらに、海外遠征になると、介助者も付かなければならないため、ひとり何十万円もかかってしまいます。現在はクラウドファンディングなどで、遠征費を集めていますが、もっと競技が周知されれば、多くの支援を受けることができ、資金を集めることもできます」

 そしてもう一つ、“指導者の確保”も課題として残っています。Jリーグや地元のサッカークラブが積極的に協力してくれるところは良いのですが、多くのチームはサッカー経験者のスタッフの加入を望んでいます。

「Jリーグのクラブ同士、通常はライバル関係にありますが、インクルーシブフットボールに関しては、地域貢献という共通の目的によって、垣根を越えた協力関係が築けています。そのおかげで、プロの指導者から直接、指導を受けられるので、サッカーの楽しさが倍増しています」

 現在JIFFの会長は、元日本代表の北澤豪さんが務めています。北澤さんは積極的に地方活動にも参加しており、そのおかげでメディアにも取り上げてもらえるようになったそうです。そして、2019年12月9日にはアスリートの社会貢献活動を促進・周知するために開催している「HEROs AWARD」で、JIFFが『HEROs of the year』を受賞しました。
 

©︎日本財団HEROs
 

▲子供たちとインクルーシブフットボールを楽しむ北澤氏©︎日本障がい者サッカー連盟
 
 まだまだ地域によって、障がい者サッカーへの理解度、設備や人材不足などの環境面での差は残っているが、松田さんは「少しずつではありますが、『HEROs of the year』受賞などで評価もされましたし、認知は広がっていますので、これからも継続して活動していきたいと考えております」と意気込みを語った。
 

日本障がい者サッカー連盟

https://www.jiff.football

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