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難しい「SDGs」の伝え方・教え方 「わかりやすさ」と「ユーモア」が大切 

2021.07.12 (月)

「SDGsバッジは半ばファッション化していますよね」

 このように指摘するのは、国連WEP協会理事で環境マンガ家として活動している本田亮さんです。本田さんは長年、イラストや漫画を活用して環境問題を伝えており、テレビ出演や環境マンガ集の出版、環境問題を啓発する個展を数多く開催しています。2021年6月には、「ムズカシそうなSDGsのことがひと目でやさしくわかる本」(小学館)を出版し、“SDGsをわかりやすく伝えること”に長けているプロフェッショナルな人物です。
 

イラストやマンガだからこそ表現できるSDGs

 
 2015年9月の国連総会で採択された『持続可能な開発のための2030アジェンダ』。2015年と現在を比較すると、SDGsも少なからず一般層にも浸透していると思います。また、ビジネス界においても、「当社はSDGsの〇番に貢献しています」と表明する企業も増加傾向にあります。しかし、本田さんは厳しい目を向けています。

「企業として意思表示をしても、社員ひとりひとりの意識が低いことや理解度が乏しいことがあります。実際にSDGsのバッジを付けている社員さんに聞いてみると、『会社に言われているだけで、実際はよくわかっていません』と返答してくる場合もあります。バッジの華やかさやSDGsの番号もあり、意思表示としてわかりやすくなりましたが、本質的に理解している人はまだまだ少ないのではないでしょうか」

 SDGsを説明する本やWEBサイトは増えていますが、難しい単語の使用や文字量も多いため、理解するには少し難しいことがあります。本田さんはこのような問題の解決法として、オリジナルのイラストと簡単な言葉でわかりやすく伝えていくという手法でアプローチしています。

「わかり易く、かみ砕いて説明するためには、絵という表現方法はかなり有効です」と手応えを感じている本田さん。実は、その自信の裏にはある体験談があります。
 


▲「ムズカシそうなSDGsのことがひと目でやさしくわかる本」より
 
「私はこうした環境問題を解説するイラストを『ユーモアイラスト』と呼んでいるのですが、絵で分かり易く課題を提示する手法は、見る側も抵抗がそれほどなく受け入れてくれます。以前、個展を開いた際に、とある中学校の生徒が『今まではSDGsを学んでも全くわかりませんでしたが、個展で絵を見たらすぐにわかりました』と言ってくれたこともありました。すごく嬉しかったのですが、そこから意外な展開になったんです」

 実際に、その中学生が学校の校長先生に個展の存在を伝えると、校長先生、教頭先生、美術の先生も後日、展示を鑑賞するために個展を訪問。その出会いを縁に、なんと本田さんはその学校で生徒にSDGsを教えることになったそうです。

 シリアスになりがちな問題でも、イラストやマンガを活用することで、あまり重くならずに伝えることができます。パラパラめくるだけで難解そうなSDGsを楽しく理解することができる「ムズカシそうなSDGsのことがひと目でやさしくわかる本」は、これからSDGsを学習する中学生や小学生にとっては、ピッタリの教材です。

「子どもたちが、自分たちの生活や身近な事柄と社会的問題が少なからずとも関連していることを理解してもらえれば、嬉しいです。やはり、環境に関わらず社会問題の解決には、教育が一番大事だと思いますし、SDGsを広げていくためには、“まずは教育から”が効果的だと思います」
 

全てが未経験からスタート「何事も遅いということはない!」

 

 
 SDGsを楽しく深く理解させるために、制作活動に励んでいる本田さんですが、怖いもの知らずでチャレンジ精神旺盛な人物でもあります。

 大学時代に山岳部に所属した本田さんですが、「山の飯を食うと友情が生まれる」という先輩からの言葉に興味を持って入部しただけで、それまで登山経験はゼロでした。その後、スキューバーダイビングも経験。白化したサンゴなどを見て、海洋環境問題に関心を持ちましたが、スキューバーダイビングを始めるまで、まったく泳げなかったそうです。

 まだまだ、本田さんの伝説はあります。今ではプロのイラスト・マンガ家として活動していますが、この活動をするまで絵を描いたことがなく、絵を書き始めたのは、なんと38歳からです!(現在、68歳) 

 しかも、絵を書き始めたエピソードもインパクトがあります! 当時、まだ一枚も絵を描いていないにも関わらず、銀座のアトリエを突然訪れ、個展開催をオーナーに直談判。当然、作品がないため門前払いされましたが、作品がないと個展が開けないことが分かったため、それから独学で絵を描き始めたそうです。
 

 
「絵を描くのも、環境問題を訴えるのも未経験でした。それでもやって来られたのは、挑戦すること、初体験を楽しいと感じていたからですね。そもそも山岳部の先輩に『登った経験のある山はどこだ?』と聞かれ、『高尾山』と答えたくらいですからね(笑)。失敗を恐れず挑戦してみることは大事です。何事も遅いということはありません」

 そして、挑戦することと同じくらい大切にしていることが、実体験を通じて考えることだそうです。
 

▲南米のギアナ高地にて
 
「日本は裕福な国なのであまり苦労はありませんが、海外に行くとビックリするような場面に何度も出会います。私も環境問題を訴えたいと最初に思ったのは、サハラ砂漠の干上がった湖などを見たからです。世界の国々がそれぞれどんな問題を抱えているのか、自分の目で見て確かめるのはSDGsを語る上で重要なことだと思います」

 新たなチャレンジに対して「怖い」「不安」は少なからずあるでしょう。でも、まずは一歩進めてみてはいかかでしょうか!?

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