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世界的に「脱プラ」推進で木材が脚光! 木を伐採しない育林とは!? SDGsと林業の課題は!?

2021.06.18 (金)

森林保全に立ちはだかる所有者・権利者の問題

 
 第一次産業に分類される「林業」。若者の間では、あまり人気のある仕事ではなく、人材不足が問題となっていますが、森林保全において、より大きな問題が存在しています。それが土地の権利関連です。

「山林には勝手に入って伐採することはできません。地主さんの許可が必要なのですが、林業をしていない人も所有していますので、時間が経ち、どこからがその土地なのか曖昧になっているケースが多々あります、田辺市の3分の2はそのような状況です」

 地図上には境界線が記されていますが、実際の場所には目印がない場合が殆どです。例えば祖父の代で使っていた里山をそのまま孫が引き継いだ場合、「あの木の辺りからが私の土地」という感覚で引き継がれてしまい、客観的に判断できる目印がないため、土地を把握するには大きな苦労が伴います。そういった所有者の分からない森林を一件ずつ確認し、境界を明らかにしていくのも中川の仕事だそうです。

「よく林業の盛んな地域として田辺市の他に、埼玉県飯能市が挙がることがありますが、飯能市は伐採できる山が沢山ありますが、伐採する人員が足りないということが問題になっています。田辺市は逆に伐採する人員は足りているのですが、山の持ち主がわからない場所が多く、なかなか伐採が進んでいない状況です。お互いいるべきところに人がおらず、宝の持ち腐れになっていますね」

 奥川さんは、10年前の紀伊半島水害で被災し、大学時代に水害について研究していくうちに林業に興味を持ち、そして中川に入社しました。同社は2016年に設立された新しい会社で、主に20代~30代の従業員が働いています。
 

▲株式会社中川の従業員の皆さん

 
「山林や林業に興味があればぜひ訪れてください。1カ月だけのインターンでという方も今まで結構いるので、林業の面白さを知ってもらえればなと思います」

 木を植えるという業務に関して資格は必要なく、気軽にチャレンジできるようです。また、伐採や運搬する業務に携わる場合には専用の資格が必要にはなりますが、『フォレストワーカー制度』という林野庁が資格取得をサポートしてくれる制度があります。興味のある方は、少しだけでも調べてみてはいかがでしょうか。

株式会社中川

http://nakagawa-forestry.com

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