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イスラム教・マレー語を磨くならブルネイ! ほんわか娘の留学体験記

早稲田大学 3年生ぺき

2017.10.10 (火)

毎日が刺激的! ブルネイに魅せられた理由とは…?

 日本から飛行機で約9時間。三重県とほぼ同じ大きさでマレーシアの隣に位置するブルネイ。ちょっぴりマニアックなこの国を留学先に選んだ背景には、芯の強いまりなさんらしいこんな理由がありました。

「1年生の夏に初めてマレーシアに行って、猛スピードで進む経済発展や人の温かさに感動し、将来は東南アジアでキャリアウーマンになってバリバリ働きたいと思うようになりました。だから留学先は東南アジアの人口の半分を占めるマレー人が話すマレー語と、彼らが信仰するイスラム教を勉強したいと思いました。その条件に当てはまるのが、マレーシア・インドネシア・ブルネイだったんです。そしてその中でもブルネイは最も敬虔なイスラム教国家であることを知って、ぜひこの国で学びたいと思いました」

 日本では名前を聞く機会が少ないブルネイ。ですが、いざ行ってみると日本人が留学するにはもってこいの環境だったのだそうです。

「治安の面では日本よりもむしろブルネイの方が平和なのではないかと思います。例えば夜道を1人で歩いていても出歩いている人が少ないので危険な目にあうことも無かったです。食べ物も安くて美味しくて、本当に居心地の良い国でした。特にチキン、ちょっぴり辛いサンバルというおかず、豆、甘い小魚とお米が葉っぱに包まっている“ブルネイ版おにぎり”は一番のお気に入りです。日本の一般的なおにぎりの2倍くらいの大きさなのに80円くらいで買えるんですよ。それにブルネイはシンガポール並に高い英語力を誇っているので、日本人が英語を勉強するにはうってつけの場所だと思います」

 基本的に留学中、困ったことは無かったそうですが、日本では起こり得ないびっくりするハプニングも現地で経験!!

「一度だけ、住んでいた大学寮のシャワーや水道の蛇口から原因不明の黄色い水が出てきて、さすがにビックリしました。2日間くらい黄色い水が出ていたので、食器を洗う時は全部ミネラルウォーターを使っていました(笑)」
 

▲懐かしの大学寮。黄色い水が出たことも今となっては良い思い出
 
 現地でのハプニングも持ち前の明るさで元気に乗り越えてしまうまりなさん。ただ、初めの頃は現地学生とのコミュニケーションに戸惑う部分もあったようです。

「留学先の大学はクラブ活動が盛んだったので武術クラブに入って、ブルネイの伝統武術を楽しんでいました。ただ、クラブで留学生は私1人だけ。現地学生は私と話す時以外はみんなマレー語を話していました。なので状況がイマイチ掴めなくて、最初の頃は『もっと話せたらいいのにな』と思っていたんです」

 周りは全員ブルネイ人の中、日本人はたった1人という心細い状況で、ある心掛けによって言葉の壁を超えていったそうです。その心掛けとは…?

相手を笑わせたり、困っている友達を見かけたらすぐに助けに行くよう心掛けていました。そうしたら徐々に打ち解けていって、最終的には私を本当の家族のように思ってくれていたようです。留学を通して、言葉以外のコミュニケーション がいかに大切かということに気づけましたね」
 

▲かけがえのないないマレー式武術サークルのメンバーと
 
 留学生1人というアウェイな環境の中、自分自身の行動で愛情を示し、現地の学生と打ち解けていったまりなさん。当たり前のようで実は難しい相手を尊重することの大切さを、彼女のエピソードを通じて改めて実感しました。
 

現地に住んで初めて実感! 他国とは違うブルネイならではの特徴とは…?

 
 近年、経済成長が注目されるアジア。日本企業もたくさん進出し、高層ビルや都会的なオフィス街はまさに成長目覚ましいこの地域ならではのシンボル的景観ではないでしょうか? ですが、一口に「アジア」といってもその特徴は国ごとによって様々。もともと東南アジアが大好きだったまりなさんは留学を通して他国とは違う、“ブルネイらしさ”を実感したのだそうです。

「東南アジアで移動する場合は、バイクが一般的だと思います。でも、ブルネイだと車移動が殆どなんです。しかもタクシーは人口40万人に対してたった40台しかなくて、利用料もすごく高いんです。なので、キャンパス外に出るときは、いつも友達に運転してもらっていました。毎回、時速140キロくらいのスピードで運転していたのでいつもヒヤヒヤしながら乗車していました。今となっては懐かしい思い出です(笑)」

 また、天然資源が豊富で治安も良いブルネイは「お金持ちの国」というイメージが一般的。ですが、現地の大学で学んでいく中でこの国ならではの問題にもまりなさんは気づきました。

「確かにブルネイは石油・天然ガスが豊富で国の経済成長にもこの2つが大きく貢献しています。でも、その反面、国の経済が天然資源ばかりに頼りすぎていて他の産業がまだまだ発展途上であることが大きな問題になっているんです。なのでブルネイでは2035年までに国を挙げて観光業など他の産業にも力を入れてバランスの取れた経済基盤を作っているみたいです」

 日本のニュースではなかなか報道されないブルネイが抱える問題。現地の大学で学び、そこで生まれ育った学生たちと直に話したからこそ、より深く社会問題と向き合うことが出来たのではないでしょうか? このインタビューを通して、現地に赴き、当事者から直接話を聞くことの大切さを学びました。
 

不安に負けないで! 後悔しない留学のススメ

 
 勉強、友情、現地グルメを余すところなく満喫できた6か月間のブルネイ留学。ですが、留学だけでは満足しないのが好奇心旺盛なまりなさん。なんと、ブルネイを飛び出して、インドネシア・マレーシア・カンボジアバックパックで旅したこともあるのだそう! バックパックならではの、ちょっぴりスリリングな出来事もあったようです。

「インドネシアで初めてバイクに乗った時に、運転手さんが道を間違えた時はかなりヒヤッとしましたね。というのも私が地図を見せても全然参考にしてくれなくて、目的地に着くまでに通常より2倍の時間がかかったんです。それで疲れが溜まったのか、熱とじんましんが出てしまって、あの時は本当に辛かったです」

 ブルネイでの刺激的な留学生活に度肝を抜かれますが、改めて最後に留学を余すところなく楽しんだ彼女ならではのコメントをいただきました!

「現地でやりたいことがあった時、ついつい『難しそうだな、やめようか』と尻込みしてしまうと思います。でも、帰ってきてから後悔しない為に1日1日を大切に過ごしてほしいです

 また、留学前から掲げていた「東南アジアでキャリアウーマンになる」という夢を掲げていたまりなさん。現地で実際に生活し、アジアがもっと大好きになった結果、将来は環境問題・貧困問題を解決して世界に貢献するというビジョンが見えてきたのだそう。大学内だけに留まらずキャンパス外、そしてブルネイ以外の国にも積極的に足を運んだからこそ見えてきた将来の展望だと思います。新しい場所に積極的に飛び込み自分自身の目標をより明確に見つけたまりなさん。今後の大学生活・インターンで彼女のような勇気や逞しさを培っていきたいと思いました。
 

▲大学の友達と一緒に。勉強も友情も充実した最高の4ヶ月間
 
 あまり知られていない異国の地へ行く時は誰でも不安になりますよね。ですが、勇気を出して、あえて周りとは違う選択をすることで、初めて見えてくるものがあると今回の取材を通して実感しました。

せっかくの大学生活。これを読んでいるあなたも“ニッチ”な留学で今の自分をワンランク成長させてみませんか?

 では、また次の記事でお会いしましょう! スラマッ ティンガル(さようなら)!

豪田ヨシオ部では経験の有無にかかわらず、あなたが挑戦できるコトがあります。 Webメディアのライター、大手企業への企画営業、学生を集めたイベントの企画・運営、マスコミへの広報活、etc. チャレンジしたことを形に残し、悔いのない学生生活にしませんか? ご興味ある方は、こちら!見学も大歓迎です!!

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