豪田ヨシオ部は社会貢献を部活と呼びます

vol.14 豪田ヨシオ部“恒例”ゴミ拾い甲子園! 第3回の勝者は?

2014.12.24 (水)

豪田ヨシオ部の大人気イベントとして定着した「大学対校ゴミ拾い甲子園」の第3回が12月14日(月)に開催されました。昨年12月の第1回、今年6月の第2回での大成功を受けて、最近では世の中からも注目を浴び、メディアからの取材申し込みまで入るようになりました。大会の存在意義に共感してくれる企業も増えて、今回はなんとアウトドア用品のトップブランド「コールマン」さんと、「大車輪てつぼうくん」が大ヒット中の「タカラトミー」さんが協賛してくれたんです。

ちょっと、ちょっと!そこの男子2人、それは表彰チームへの賞品なのよ。手を出さないの!」

「わかってるよ。でも、いいじゃん。ねえ、このてつぼうくんで遊んでもいい?」

「西園寺さんは知らないでしょうけど、コールマンのロゴ入りグッズとか、マニアがいるくらいなんですよ。ちょっと触ったっていいじゃないですか」

コラ〜! 勝手に箱を開けて遊ぶな〜! そのバッグにも手を触れるな〜! 仕事しろ! 大会始まるから準備しろ〜!」

 

相変わらずの子供じみたやりとりですが、特別選手として参加してくれたコールマン ジャパン株式会社マーケティング本部の阿部拓さんは、嬉しそうに笑っています。

 

 

「黒柴さんみたいにウチの会社をほめてくれるかたがいると嬉しいですよ」

「だって、キャンプ好きならコールマンのストーブとかランタンとか、誰でも憧れますよ。このロゴ入りバッグも何人かの学生がさっきから興味津々でチェックしてるし」

「じゃあ、もっと持ってくればよかったかなあ」

「あー、そしたら僕ももらえたかなあ」

「コラ〜! と、なんべん言わせるんじゃ!欲しければ、阿部さんのように選手登録してガンバらんかい!」

「ひーー……」

 

阿部さんによれば、河原でのゴミ拾いという活動は、キャンプ用品を扱うコールマンにとって非常に意義と価値のあるもの。そうしたイベントへ協力や参加をしていくことで、自然を愛する人たちの本音を聞いたり、自然が今置かれている実情を知ることができるとのこと。だから賞品を提供するだけでなく、「自分も参加しなきゃ」と思ってくれたのだそうです。

 

「コールマンさんのように大きな企業が積極的に参加してくれると、私たちもお話や感想を聞いて勉強できるし、本当に嬉しいです♪(鬼の形相から一変してニコニコ顔)」

「(さっきの西園寺の剣幕におびえつつも)あ、ありがとうございます。これから社会に出て、たとえば家族でキャンプなどを楽しむようになるはずの大学生の皆さんとふれ合えるのを楽しみにしています」

 

さて、第3回ともなると過去に出場経験のある大学もかなり増えています。連続出場校の1つ、東洋大学からは総勢40人近くが集結。V2を目指す第2回の優勝校・武蔵野大学は今回、全員女子というチーム編成で参加してくれました。 西園寺や黒柴が大会のルール説明をした後、今回もまた全面バックアップしてくださる特別非営利活動法人・荒川クリーンエイド・フォーラムさんがゴミ拾いの意義や主旨について説明。そうして1時間のゴミ拾い競争がスタートしました。

 

 

 

「出場経験者も増えたせいか、なんかみんなの動きが素早くなったな」

「ゴミを拾う人、それを種類分けして袋に入れる人、その状況をチェックシートに書き留めていく人、みたいに役割分担しているようなチームも多いですよね」

「回を重ねるごとに選手のレベルが上がっていくなんて、まるでスポーツの大会みたい」

「こりゃあ、接戦になるな」

「ゴミ拾いという社会貢献が、ある種のスポーツ大会みたいに楽しく盛り上がる……僕らが理想だと思っていた形ですよねえ。嬉しいなあ」

「ところで、なんで前回とは違う場所で開催したんだ?」

「はぁ……(ガックリ)。今さら、その質問ですか……」

 

いつも以上というか、いつも通りというか、キツめな西園寺のノリにビビる豪田。救ってくれたのは荒川クリーンエイド・フォーラム事務局の姫野沙知子さんでした。

 

 

「ここは前回開催した地点の上流にあたるんですよ。前にも皆さんにお話をしましたけれど、ゴミは川のいたるところで捨てられて、流されながら下流に行き、最後は海にまで行ってしまうものもある。その間に、大きかったゴミも破片ゴミと呼ばれている小さなゴミに変わったりします」

「そうすると流域や遠く太平洋の海に棲む鳥や魚の口に入ったりする危険性は高まるし、そういう生物がやがて人間の口に入ってしまうかもしれないんですよね? だからゴミ拾いは自然環境を守る行為でありつつ、同時に私たち自身を守る行動でもあるってこと。わかってます? 豪田さん」

「は、はーい……」

「前にゴミを拾ったところよりも上流に来たら、どんな風にゴミの状態が違うのか、なんて事にも出場している大学生の皆さんが気づいたり、意識してくれたら嬉しいなあと思ったんです」

「そういう配慮もあって、今回は上流に来た、というわけですよ……って、豪田さん!聞いてます? 姫野さんが美人だからって、デレデレしないの!」

「ひーー……」

 

 

そんなこんなのドタバタもありつつ、出場校はどんどんゴミを拾っていきます。開催場所の西新井橋緑地公園には野球のグランドが何面もあって、日曜日だけに草野球の試合を楽しむ大人や子どもがたくさん。ゴミを拾っている大学生たちに「ごくろうさま」と笑顔で挨拶してくれる人や、熱心に語りかけてくれる人もいました。「私たちもこのグランドを利用している人間として、ゴミは持ち帰るし、河原で見つけたゴミは拾ったりしているんだけど、次に来る時にはまたゴミがあちこちにあったりするんですよね」と。この話を耳にした姫野さんは、こんな風に言っていました。

 

 

「普段から拾っている人たちだけが経験する無力感というのがあるんです。拾っても拾っても減らないなあ、という無力感です。だからといってあきらめてしまう人が増えてしまうのではなく、もっと皆が積極的に”ゴミを捨てない”、”見つけたら拾う”と心に誓ってくれたら嬉しいですね。だから、今回の大会にたくさんの出場経験者が来てくれたことを、とっても喜んでいるんです」

「前回はゲームのように楽しんだけれども、今回は自分なりに使命感をもって出場しました……と言っている学生もいましたよ。そういう声を聞くと僕らも嬉しくなります」

「この開催場所って、駅から30分近く歩かないといけないじゃないですか? 参加者が若い大学生ばかり、というゴミ拾いイベントって本当に少ないので、私たちがなかなか来れなかった場所でもあるんです」

「たしかに、シニアも参加するようなイベントだったら、なるべく駅から遠くない場所が好ましいですもんね」

 

「大学対校」にしたことの意義や価値を見つけて、黒柴も大喜びです。そうして、あっという間に試合時間の1時間が経過。写真でもわかる通り、今回もまた大量のゴミを拾うことに成功しました。粗大ゴミ31個、ビンのゴミ11袋、缶ゴミ7袋、ペットボトル28袋、燃やすゴミ55袋……。これらの成果をチームごとの集計で確認し、大学ごとの成績を算出。いよいよ表彰式へと移ります。コールマンさんとタカラトミーさんのおかげで今回は賞品も多数。3位や2位の大学に加え、一番印象的だったゴミ(古い大型のVHSビデオレコーダー)を拾った人も個人賞で表彰されました。そして最後が優勝大学の発表です。

 

「今回の優勝は、武蔵野大学です!」

 

 

 

そうです。連覇です。V2です。しかも男子もいた前回と違い、女子ばかりの1チームで他の強豪ライバルを破っての優勝でした。勝利をつかむ秘訣を聞かれた武蔵野大学の皆さんですが、「えー、わかりませーん。ほんとに私たちが優勝なんですか?」と謙虚そのもの。でもきっと何かあったんでしょうね、チームワークの良さとか、フットワークの良さとか。ずっと選手として東京理科大学チームに入っていたコールマンの阿部さんは、清々しい笑顔でこんな感想……

 

「来てよかったです。日本の河原ってキレイになった印象もあったけれど、そんなことないんですよね。拾っても拾ってもゴミが出てくる。生えている葦とかススキの根っこのあたりにいっぱい引っかかっていました」

「それ、重要な問題なんです。せっかく河原に自生した植物があっても、ゴミがそこに引っかかって堆積してしまうと枯れてしまい、その後からは植物が生きていけないような環境になってしまうんです」

「アウトドア用品を扱う企業として知っておくべきことがたくさん見つかったので、出社したら社内の皆に向けて報告しますよ」

「おおおお、なんか回を重ねたことで、どんどん価値あるイベントに成長しつつあるなあ」

「気づきをたくさん拾えるイベントになりましたよね!」

「来年もやりますよ! これで参加者はのべ400人近くになったし、1000人、2000人、1万人になるまでやりますよ!」 はい、本当にもう計画は始まっています。日時が決まったらお知らせしますからね。 東京都内に限らず、全国の大学生の皆さん、参加を待っていますよ。そして、全国の企業の皆さんも、今度こそ参加してください!

「次はどんな賞品を出してくれるとこがいいかねえ?」

「僕はやっぱりアウトドアとか、そういうところのグッズがいいなあ、なんて……」

「ちょっとぐらいオレたちがもらってもいいよなあ」

「そうですよねえ」

コ、コラー! はい、そこに正座! 反省!

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