豪田ヨシオ部は社会貢献を部活と呼びます

香取慎吾含む23人の作家出展のアート展、SNS大反響&来場者約4万人達成! 障害者の理解促進に貢献

2017.12.07 (木)

 10月13日〜31日、東京・南青山の複合文化施設「スパイラルガーデン」で「日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS 企画展 ミュージアム・オブ・トゥギャザー」が開催。元SMAPの香取慎吾さんを含めた23人の作家が出展し、開催期間中はSNSでも大きな盛り上がりをみせていたが、豪田ヨシオ部の取材により、改めて反響の大きさが明らかとなった。

 これまで日本財団は、誰でも参加できるインクルーシブな社会の実現を目指し、「障害者と芸術文化」の領域への支援を実施。その中で「日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS 企画展 ミュージアム・オブ・トゥギャザー」は、多彩な展示会を通じて、多様性の意義と価値を広めていくことを趣旨とし、越境や交錯、交歓の喚起を促す新たなプロジェクトである。

 今回の展覧会には、キュレーター、建築家、デザイナー、そして当事者の立場から会場や鑑賞方法についてアドバイスする障害者など、約60人が準備に参加。作家は障害者と現代作家で、23の作家による作品と資料や模型などのアーカイブが展示された。

 13日の開幕当日、日本財団のツイッター公式アカウントが、「ついに日本財団DIVERSITY IN THE ARTS企画展【ミュージアム・オブ・トゥギャザー】が開幕しました!」とツイートすると、リツイートは4000件以上、「いいね」も5000件以上もつき、「リアルタイム検索」でも上位にランクイン。また、30日には安倍晋三首相が「日本財団DIVERSITY IN THE ARTS 企画展」に来場。その際につぶやいた「安倍首相が来場し、作家の竜之介さんと香取慎吾さんがご自身の作品を紹介」というツイートは、リツイート数6000件以上、「いいね」も1万5000件以上つき、大きな反響を呼んだ。

 プロジェクト担当者によると、開催期間中の最終的な集客人数は約4万人。「香取様のファンを中心に、SNS上で盛り上がりました。多くの方がSNS上でコメント(#日本財団DA)してくださり、23人それぞれの作品に関心を持ち、お気に入りの作品を見つけてくださったようです」と反響の大きさを明かした。
 


▲多くのお客さんが興味深そうに作品を鑑賞し、楽しんでいました。
 
 今回、展示された作品は、リサーチキュレーターからの推薦作品とキュレーターのロジャー・マクドナルドさん、塩見有子さんが実際にアート活動が行われている福祉施設や作家個人の自宅やアトリエを訪問し、セレクト。また香取さんの作品ついては、「展覧会の主旨に共鳴いただき、またご自身も制作活動をしていたため、作家の一人として出展していただきました。この企画展は、アートを心理的あるいは精神的に安定した状態を生み出すための“道具”として捉えており、香取様の作品説明にも沿うものでした」とプロジェクト担当者は説明した。
 


▲香取さん制作の「火のトリ」(上)と「イソゲマダマニアウ」(下)。


▲渡邊義紘さんの「折り葉の動物たち」
 
▲清水ちはるさんの「心のままに…」(写真:日本財団、撮影:木奥恵三)
 
 今回の展示会は、個性溢れる数々の作品も魅力の1つだったが、運営側は来場者の多様性に配慮して誰もが参加できるようにアクセシビリティを整え、鑑賞プログラムも用意。

 まず鑑賞プログラムは4つ。

 1つ目は、「聞こえない人とつくる『対話』をテーマにしたワークショップ」。これは音声、手話、筆談など様々なコミュニケーション方法で、作品や展示会で感じたことを伝え合うワークショップ。

 2つ目は、「視覚障害者と作る美術鑑賞ワークショップ」。視覚に障害がある方ない方が共に展覧会を鑑賞し、作品や空間について「見えていること」「見えていないこと」を語り合う。視覚に障害がある方に伝えるために言葉にしようすることで、より深く作品を鑑賞することができるワークショップ。
 

 
 3つ目は、「クワイエットアワーを利用してみよう!」。主に知的障害者、発達障害者、精神障害者の中で、感覚や知覚などに過敏さがある方を対象に、鑑賞時間を解放する企画。照明の明るさを落とし、館内の音響を下げ、鑑賞者へのスタッフ関わり方にも配慮した静かな環境で鑑賞できるという企画だった。クワイエットアワーは日本でほとんど行われておらず、本企画展を機に拡がることが期待される。

 4つ目は、「知的障害、発達障害、精神障害のある人と考えよう! 展覧会のたのしみ方」。クワイエットアワーでの試みを元に、普段アートに接する機会が少ない、知的障害、発達障害、精神障害のある方の鑑賞環境をどのように整えればよいのか、当事者の意見を交えながらディスカッションした。

 そして、会場構成については、作品の展示位置を低くし、車椅子の方や子供が見やすいように工夫。また、車椅子の方だけでなく、ベビーカーの方、お年寄り、誰もが利用しやすいように、特別に作ったスロープを設置しアクセシビリティに配慮した。車椅子利用者からは「配慮されているけど福祉っぽくないおしゃれな空間、障害者として特別扱いされすぎず居心地がよかった」という声も聞こえた。

「今回の展覧会では、来場いただくことをきっかけに『障害』に気づいていただいたり、発見していただくことを目指していました。沢山の方にご来場いただき、『障害』を特別扱いせずに、誰もが楽しむことができ、利用しやすい展覧会を体験してもらえたと思います。展示では意図的に作家の『障害』の有無がわかるようなキャプションをつけていませんが、作家の背景に関係なく作品を楽しんで頂くことができました」
 

写真提供:日本財団
 

▲会場構成は建築設計事務所アトリエ・ワンが担当。
 
 最後にプロジェクト担当は「2020年のオリンピック・パラリンピックにむけて、日本財団は障害者スポーツとともに文化の面でも力をいれています。今回の試みが2020年に向けて、広く、日本社会、そして世界に拡がっていくことを期待しています」と強く切願し、「香取様含め23人の作家、展覧会チーム、展覧会を盛り上げてくださった来場者の皆様に感謝申し上げます」とコメントした。

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